「快適な車室内環境技術」
-Cabin comfort technologies-

近年、グローバルな気候変動や都市部の大気汚染に代表される劣悪な環境下において、快適な車室内環境が再度注目されるようになってきました。自動化、電動化が多くのネガを消し去りつつある中、快適な車室内環境は移動体の基本的価値として存続するものと考えられます。快適な車室内環境技術は、クルマの価値としてこれまで以上に真価を問われるようになってきています。本号では、計測技術から車載技術まで最新技術動向を紹介します。

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車両空調システムの最新技術動向

今、自動車の枠組みが大きく変わろうとしている時代である。車両空調もこの変化に対応できる新しい技術が求められている。特にEV化が進む中で、空調使用時の省エネ化は航続距離に直結する課題となっている。本稿では、最近の空調技術に関するトピックスを取り上げ、次世代の空調技術を展望する。

室内空調システムの最新技術動向

室内空調の最新動向に関し、最新の技術開発に関して紹介した。室内環境制御の大原則は、熱負荷源対策にある。本稿では主にこの空調熱負荷対策に関して述べる。建物の空調の外部負荷に関しては、真空断熱材や建物の換気を利用したダイナミックインシュレーションにより、断熱材厚を数センチオーダーとしても高い遮熱性能を実用的に得られる技術開発がなされている。建物内の内部負荷の発生源対策に関しては、空気に比べ比熱が大きい、液体冷媒(水)を用いた熱回収システムが、コストの問題を除けば、実用化の段階になっている。

メッシュフリーシミュレーションによる車室内の等価温度解析

着衣条件における車室内の等価温度シミュレーション手法の確立を目的とし、実車を用いた等価温度計測実験、着衣サーマルマネキンのモデル化、車室内の等価温度シミュレーションと実験結果との比較により精度を検証した結果を示す。本報は、自動車技術会2018年春季大会で発表した内容を再編集したものである。

車室用小型高精度空気環境センサ

小型で簡素な構成の高精度空気環境センサを紹介する。空気環境におけるPM2.5の濃度を測定することが可能なだけではなく、花粉とホコリも1個のセンサで識別可能なセンサである。特に、独自の光学系構造により、PM2.5の濃度を高精度に検出することが可能である。

車室内環境にかかわる環境測定─換気量測定

室内化学物質汚染による問題が提起されて久しい。その化学物質の室内濃度低減の重要なファクターの一つが換気である。しかしながら車の換気量測定の報告は少なく実態が不明である。よって今回はトレーサーガス発生器を用いたPFT法により実車の換気量測定を実施したので結果を紹介する。

男性・女性における温熱的快適性評価の違い

ドライバーをはじめ車両搭乗者がドライビングを楽しむには、快適な車室内環境を欠かすことはできません。人体の体温調節には男女による違いがあるのと同様に、温熱的な快適感に関する評価にも性差があるようです。様々な研究成果から、男性よりも女性の方が温熱的な不快感には敏感な傾向があることをご紹介します。

乗員の代謝変動を考慮したベンチレーションシートの効果

車室内の快適性と省エネルギー性を両立するため、 カーエアコンに加えベンチレーションシートを併用した空調システムが普及するといえる.本研究ではベンチレーションシートが代謝変動する乗員に与える冷却効果を検証するため、 被験者実験による生理心理反応の測定、及びサーマルマネキンを用いた等価温度の算出を行った.

車室内温熱環境モデルを用いた温冷感に基づく空調制御設計

シートヒータやステアリングヒータ等の補助温熱デバイスとHVACを協調させることで快適性向上と省エネルギ化が期待される. 協調制御ロジックの設計を目的に温熱環境をモデル化し、 シミュレーションで設計検討が可能な環境を構築する. さらにモデルを用いて協調制御を設計し、 その有効性を実車で確認する.

自動車技術の高効率ヒートポンプシステム

近年環境規制強化に伴い、自動車業界ではEVなど環境車の開発が加速している.これらの環境車では暖房熱源が期待できないため、電気ヒータのような追加の暖房熱源が必要であり、かつ高効率化によりEV航続距離への影響を最小にすることが求められている.その解決手段として、ヒートポンプシステムを開発したので紹介する.

自動車室内の空気質改善システム

自動車の高速化・効率化に伴う車体の密閉度向上や車室内の快適性のため空調装置の普及により自然換気量が減少するため、車室内空気質を積極的に制御、改善していく必要がある。車室内空調装置を積極的に使った空気質改善の切り口と手段についてまとめた。昨今の感覚空気質改善の芳香装置についても述べる。

プラズマクラスター技術による車室内空気質の改善

2003年にプラズマクラスター技術がカーエアコンに搭載されてからデバイスも進化して、効能効果も拡がってきた。このプラズマクラスターデバイスの搭載方法や特徴などを説明する。 一方、これからのEV・HVシステムの普及と自動運転技術の進化に伴い、車内空間では住宅の居間と同じ環境が求められていくと考えられる。この様な変化に対応して、プラズマクラスター技術を活用した車室内環境改善に寄与できる可能性についても簡単に述べる。

自動車エアコンと微生物

夏季には、エアコンユニットの内部は、高湿度の状態になっており、多くの微生物が繫殖可能な条件になっている。そこで、エアコンユニット内の環境を測定し、微生物数との関連を調査した。また、微生物を低減するためにいくつかの提案がなされている。そこで低減技術とその効果を紹介する。

鉄道における車内快適性

我が国において鉄道は自動車と並んで最も身近な乗り物となっている。近年では鉄道に対する快適性のニーズはより高まっており、車内快適性の向上に向けて、多方面で技術開発が行われている。本稿では、振動、車内騒音、車内設備などについて、車内快適性に関連する技術の概要を述べる。

気象・環境データ活用技術

本稿では、気象情報や大気汚染情報など自動車の周りの環境情報に関連する最新の情報技術について、IBM の事例を元に説明する。まず、IBM が2016 年に買収した気象情報サービスの会社The Weather Company について述べ、次に中国での大気汚染分析・予測プロジェクトであるGreen Horizon について述べる。最後に、自動車産業における気象・環境情報の果たす役割について考察する。

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