技術会議紹介
音質評価技術部門委員会


1. 活動目的
自動車音の音質改善を通じて、自動車の快適性や安全性の向上による新たな付加価値の創造と豊かな自動車社会の発展を目指す。音質の評価方法や設計への還元方法などの知的財産を広く共有し、関連分野における生産効率を向上させることを目的とする。
2. 委員会メンバー
委員長能村幸介(本田技術研究所)
幹事関根道昭(自動車技術総合機構)、田村良介(日野自動車株式会社)、藤田耕一(UDトラックス)、村田法生(東陽テクニカ)、石塚昌之(シーメンス)、石原大雅(ブリヂストン)
委員大学・官庁等6名、企業・民間団体等24名、オブザーバ等7名 合計37名
3. 2017年度の活動計画
音質評価から設計WG(WG1)、生体計測等に基づく自動車警告音の有効性・受容性評価手法の開発WG(WG2)、ディーゼル車の音質評価WG(WG3)の3つのWGにて活動を継続する予定。主な活動内容は、WG1は、車室内において不快に感じられる過渡事象音に対して実稼動TPAによる音源寄与解析手法を適用し、音質改善に対する効果的な活用方法を検討し確立する。WG2は、自動運転車両や予防安全車両が利用する警告音について、ドライバの注意を引きやすく、運転中の意識レベルを維持する機能を持ち、かつ生理学的な負担の少ない受容性の高い警告音をデザイン、評価するための手法を開発し、車両の快適性と安全性の両立に貢献する。WG3は,過渡的に変化するディーゼル燃焼音の聴覚印象改善を目的とした音質最適化手法の構築を目的としている。2017年度は音質最適化手法の検討を進めるため、これまでに開発した過渡的に変化する燃焼音の音質評価手法を用い、異なるサンプル音とより適切な形容詞で、広く聴覚印象と相関のある音質指標の検証を実施する。
4. 活動報告
2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度
【全体評価】
音質評価技術部門委員会は,2008年度から開始したWG活動(WG1:音質評価から設計,WG2:生体計測による自動車音の安全性・快適性評価手法の提案,WG3:ディーゼル車の音質評価)を推進した.
WG1は,2014年度の活動で確立したロードノイズ音質評価指標を,高車速域の空力騒音評価指標として用いるべく適合性検討を開始した.また,実稼動伝達経路解析(TPA)を応用した空力騒音分離手法にも着手した.WG2は運転中の危険事象を知らせる警報音について,簡易型ドライビングシミュレータ実験を行い,ドライバの速やかな反応を引き出し,適度な緊張感を保つことのできる警報音の特徴を生体指標により評価した.WG3は提案したディーゼルトラックの過渡的な音色変化を伴う燃焼音の評価手法について,残る課題について取り組んだ.得られた知見は今後の追加主観評価に反映する.以上より,各WGは活発に活動し,2015年度の当部門委員会の目標は計画通り達成できた.
引き続きこれらの活動を継続し,2017年1月頃に開催するシンポジウムにおいて最新の調査研究成果を報告する予定である.
種別日時内容
オーガナイズドセッション 5/21 音質評価技術
研究調査事業 - 音質に注目した快適化設計法と、快適化評価法に関する研究