電動化と電力エネルギー供給の未来
Electrification and Sustainable Electricity Supply Trend

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次世代自動車を取り巻く環境変化と2030年までの将来展望

アメである補助金政策によって堅調な推移をみせてきた次世代自動車市場であるが、補助金の終了や燃費試験方法の変更などによってその潮目は変わりつつある。本稿では日欧米中の規制動向を俯瞰し、将来の次世代自動車における可能性と市場を予測する。

EVシフトのインパクトとイニシアチブを巡る攻防

EVシフトは、自動車業界だけでなく周辺業界にもインパクトを与える大きな事業環境変化のドライバーである。欧州と中国は自動車産業のゲームチェンジを狙ってEVシフトを加速し、特にコア部品であるリチウムイオン電池産業の育成を通じてイニシアチブを握ろうとしている。そのために両政府は資源確保や投資支援策に踏み込んできている。

2019年「水素エネルギー」はどこまで広がっているか?

水素は、様々な資源から製造可能であり、また、エネルギーとして利用してもCO₂を排出しないなど、多くの優れた特徴を有しており、エネルギーセキュリティの向上や低炭素化の実現に向けては、非常に有用な手段である。このため、モビリティをはじめとした様々な分野で水素エネルギーの利活用が進んでいる。

世界の自動車燃費規制の進展と電動化の展望

世界の自動車燃費規制の現状と電動車両の普及状況を俯瞰する。更に、各国・地域ごとに特徴的な規制の現状と電動車両促進策、それらに起因する電動化の現状と将来の進展方向を考察する。最後に、電動車両の大量普及には、車載電池の大幅な技術進歩が必要であり、その実現には相当の時間を要するとの見方を提示する。

急速充電技術の国際標準化に関する将来展望

2018年8月には、中国電力企業連合会と共同で次世代急速充電規格 ChaoJiを開発していくことで合意し、両国政府同席のもと北京において調印式を行った。この合意により従来の急速充電より更に大出力で安全に充電できる技術が確立されるとともに、併存する急速充電規格の統合に向けた道筋をつけ、さらなる世界の充電インフラ普及に貢献したいと考える。

新型プリウスPHVのシステム開発

新型プリウスPHV に搭載した新世代プラグインハイブリッドシステムについて紹介する。このシステムは、新型プリウスにて新規開発したトヨタ・ハイブリッド・システム(THS-II)を最大限活用しつつ、PHV(プラグインハイブリッド自動車)としてEV(電気自動車)性能を大幅に向上させるため、新規ユニット・システムの採用やHV(ハイブリッド自動車)ユニットの改良を実施した。これら各ユニット・システムも紹介する。

自動車駆動用全節巻スイッチトリラクタンスモータ

CO₂排出規制を背景としたEV、HEVの急速な普及を受け、コンポーネントの小型化、低コスト化が求められる。そのような中、主駆動用モータは、高価なレアアース磁石を用いないSRMが期待される。 磁石を用いないことによるトルク低下があるが、中でも、全節巻SRMはトルク定数が高く、主機向けとしての活用が見込める。しかし、全節巻に起因する巻線間磁束の相互干渉により出力確保には過大な電流を要するため、高速駆動時の損失増加が問題となる。本開発では、SRM(ユニポーラ駆動)特有の各相電流制御の自由度を活かし、磁束の相互干渉を低減できる制御法により、高速出力時の損失を低減した。

EV向けマイクロ波─ワイヤレス給電技術の現状と今後の展開

ワイヤレス給電は電気自動車という「移動する電池」を充電するのに適した給電方式である。現在は非接触ワイヤレス充電の実用化と標準化の議論が進むが、マイクロ波を用いた空間伝送型ワイヤレス充電にも期待がもたれている。本稿ではマイクロ波送電の電気自動車の充電応用研究と今後の展開について説明する。

EV用ワイヤレス電力伝送システム国際標準化状況

電気自動車を充電するためのワイヤレス電力伝送システムの、ISO/IECにおける国際標準化の状況を解説する。

CISPRでの放射妨害波許容値の国際検討状況

ISM装置の規格であるCISPR 11(Ed6.1)に、新たにEV用WPT(電気自動車用ワイヤレス電力伝送装置)の妨害波許容値および測定法を追加するためにCISPR/B/WG1の下にEV用WPTのアドホックグループAHG4を立ち上げて、規格制定のための活動を行っている。EV用WPTは150kHz以下の周波数帯で運用されるが、従来のCISPR 11には9kHzから150kHzまでの妨害波許容値の規定が無い。そのためこれらの許容値と測定方法を新たに設定する必要があり、ここではそのための活動の近況について紹介する。

超小型電動モビリティ向けワイヤレス給電の実証事例

超小型電動モビリティとは、普通乗用車よりコンパクトで小回りが利き、電動車両であるため環境性能に優れ、地域の手軽な移動手段として期待されている一人乗りから二人乗りの車両である。この超小型電動モビリティの充電手段としてワイヤレス給電システムの活用を検討し、電池容量最適化による電池コストの低減と利便性の高い運用方法を確認することを目的に実証実験を行ったので報告する。

走行中ワイヤレス給電の技術紹介

11年後の2030年までにCO₂排出量を60g/km以下にするために、EV化社会は必然である。一方で、EV化社会はEVだけを考えていても成り立たない。電力系統側で問題になっている負荷平準化、クリーンエネルギー活用に向けたPVの大量導入など、社会全体の最適化を考えた末に辿り着く走行中ワイヤレス給電という一つの可能性について述べる。

電気自動車・電力システムの統合を見据えたエネルギーマネジメントの取組みとキャンパス実証

電気自動車とスマートシティ/コミュニティの統合には、 Well-to-Wheelゼロ・エミッションと分散型電力貯蔵活用のエネルギーマネジメントがキーとなる。本論文では、 電気自動車・電力システム統合の重要性、 技術的な特徴、 国内外の先駆的実証、 将来展開を展望する。東京都市大学でのモビリティ×エネルギーのキャンパス実証を成果のいくつかを紹介する。

走る蓄電池としてのEV活用

EVの蓄電池を電力の平準化に利用するというVGI(Vehicle Grid Integration)は、近年大変期待されており、実証試験も行われてきた。本稿では、日産が取り組んでいる2つのアプローチであるVGIの価値検証プロジェクトと、実際のEVを使ったフィールド実証プロジェクトの結果を紹介するとともに、VGIの社会実装を実現するための課題についても言及する。