自動運転×防災・減災

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<技術の窓>突然ですが,アリストテレスから一言
~AIに何を問うのか,何を選び取るのか~

その時、車は人を守れるか!?

災害時の避難行動は原則として徒歩が推奨されており、車の活用は推奨されていない。しかし、少子高齢化が進み円滑な避難行動を取れない人がたくさんいるという我が国の現状を踏まえると、車の活用をあっさりと切り捨てることはきわめて勿体ないと云わざるを得ない。本稿では、災害時の車の活用の可能性について概観する。

自動運転車は災害にどう備え、どう貢献できるのか
―防災・減災を支えるインフラ設計の観点から―

自動運転車の普及が進む中、防災・減災への活用が期待されている。本稿では自動運転車を社会インフラの一要素として捉え、大都市災害を中心に、災害に備える、対処する、来る災害に活かす三局面から役割と課題を整理する。避難行動の多様化や災害弱者支援、交通運用を踏まえ、制度を含むインフラ設計の方向性を示す。

降雨のノイズに環境を読む―センサの「検知」から次の一手を生む環境の「推論」へ
―防災科学技術研究所・大型降雨実験施設での実証研究から―

豪雨の中でセンサの検出率が下がるとき、その信号の変化は単なる性能劣化ではなく、車両を取り巻く環境の状態を映し出している。もしこの「見えにくさの中身」を読み解くことができれば、自動運転は検知(Detection)の先にある推論(Inference)——環境を理解し、次の一手を選ぶ能力——へと進化できるのではないか。本稿では、NIED大型降雨実験施設での実証を通じて、降雨強度(mm/h)よりも空間透過率や粒子密度がセンサ応答を支配すること、LiDARのノイズパターンから降雨状態をリアルタイムに推定できることを示す。さらに、これらの物理指標が走行可否の動的な判断基準となりうることを論じ、豪雨や冠水・土砂流入に遭遇しても車両が安全な行動を選べる設計への道筋を提示する。

大雪時の圧雪路面におけるスタック車両発生メカニズムの解明

筆者らは、大雪時の立ち往生最中の踏査やスタックに関する実車試験から、大雪時の圧雪路面におけるスタック車両の発生メカニズムを明らかにした。本稿ではこれらの研究成果の一部を紹介する。

災害時の自動車を用いた情報通信システム(V-HUB)の社会実装の状況と将来展望

大規模な災害が発生し、通信網が途絶すると、安否確認や救急救命活動に支障が出る、そのようなケースにおいて、コネクテッド・かー技術を搭載した車両や交通システムによって、情報共有を図ることが有効である。TTCコネクテッド・かー専門委員会が提唱するV-HUB(Vehicle Hub)を用いることで災害時の被害軽減への取り組み事例と各自治体でのアンケート結果を元に今後の展望について紹介する。

小型自動走行モビリティによる災害時避難支援の可能性について

本報告では、高齢者等における災害時もしくは避難指示発令時の避難の課題や、地域で支援の必要な高齢者等を支える地域包括ケアシステム。そして、我々が取り組んできた小型自動走行モビリティの開発状況と、災害時避難への活用可能性について概説する。

SLAM技術を活用した位置情報取得技術「T-iDraw Map®」をタイヤ式工事用車両に導入

建設機械の自動運転では、高精度な自己位置推定が必要であり、主に衛星測位システムが利用される。トンネル内など同システムが利用できない環境を対象に、SLAM技術を用いた位置情報取得技術「T-iDraw Map」を開発し、クローラ式、タイヤ式建機へ適用した。施工中トンネルでの検証を通じて、実用化に向けた課題を整理した。

水陸両用バスの自動運転技術と防災への応用可能性

水陸両用バスの自動運転・運航技術を開発した。バイワイヤシステム、LiDAR・カメラ・ソナーによる障害物検知、GNSS測位を搭載。車両と船舶でモデルを切り替えるMPC制御を実装し、八ッ場ダムでの入出水・障害物回避に成功した。防災への応用として、道路冠水時の避難支援や物資輸送が期待される。

遠隔型自動運転システムにおいて通信遅延が操作性に与える影響の評価および通信遅延要件の明確化

本稿では、遠隔型自動運転システムにおいて通信遅延が操作性に与える影響を評価する。また遠隔型自動運転システムの車両挙動および操作性の良品条件を規定する。各車速域に対して、良品条件を満足する通信遅延時間を明確化する。

令和6年能登半島地震の災害復旧における自動走行技術の導入と評価
~自動走行と遠隔操作の融合による夜間無人化施工~

令和6年能登半島地震復旧での労働力不足に対し、自動走行と遠隔操作を統合した夜間無人化施工を導入した。不整地での仮想レール追従やセンサ融合技術により、1名で建機3台の同時制御を実現した。夜間帯の活用により総施工量を増大させ、深刻なリソース制約下における本システムの有効性を実証した。

<ホットトピックス>高速道路における走行中の間欠充電に適用するバッテリの耐久試験方法

大型トラックなどのバッテリー容量低減や設備関係コストの観点から高速道路における走行中の間欠充電が検討されている。しかしながら充放電が頻繁に行われるため、バッテリーの寿命に影響を及ぼす。本稿ではバッテリーの耐久試験を台上で行うために、連続定格トルク6500Nm以上のダイナモを2台用いた試験システムを提案する。

<ホットトピックス>人と技術が共存する運転環境に向けて
―あおり運転に遭遇した経験をもとに―

本稿は、先進運転支援システム(ADAS)作動中に妨害運転に遭遇した実路事例を対象に、運転者の脳波、心拍変動、指温度を用いてストレス反応を分析した。妨害運転を運転環境における外乱と捉え、人と技術が共存する運転支援・車両設計への示唆を示す。

<ホットトピックス>安価な顔料による高速・高効率・高耐久な二酸化炭素から一酸化炭素への電気化学変換技術

我々は金属錯体の中でも化学的に安定な分子として知られる金属フタロシアニン類を電極上に直接結晶化するという手法により、高速・高効率・高耐久なCO₂→CO変換を実現した。本稿ではその詳細と展望について述べる。

<ホットトピックス>生成AIは「蔵人のひとり」―新製品の工程最適化への活用

津南醸造はLLMを酒造りに融合した「スマート醸造」を開発した。製造の暗黙知を継承が困難なことと原料の供給状況が変動するという二つの課題に対し、RAG技術で学術・形式・現場知識を統合。Human-in-the-Loop設計のもと、魚沼産コシヒカリ100%純米酒の開発を実現した本取り組みを報告する。

<ホットトピックス>送風機後流乱流に着目した熱交換器微細フィンの性能向上

カーボンニュートラル社会において、車載空調装置や冷却装置の小型・省電力化が重要である。小型化により送風機と熱交換器が近接し、送風機後流乱れの影響が大きくなる。本稿では、はく離が発生するルーバ形状において、乱れ特性をパラメータとした最適化計算を行い、微細な伝熱面における複雑な乱流熱伝達現象を詳細に分析した。

<ホットトピックス>タグチメソッドを用いたロバストな自動車PID制御システムの設計及び検討

自動車制御において、予測困難な事象(ノイズ)は制御の堅牢性を損なう大きな課題である。本研究ではタグチメソッドを用いた頑健なパラメータ最適化手法を提案し、操舵制御に適用した。実験の結果、S/N比の向上を確認し、外乱下でも高い堅牢性と安定した制御性能を維持できることを示した。

<超の世界>亀裂形態から迫る粘弾性体の破壊の物理

<スポットライト>マイクロ波を用いた低炭素リチウム鉱石製錬技術の共同開発におけるパイロット実証の開始

<標準化活動レポート>環境部会におけるガス燃料自動車の標準化活動状況

<匠の技>職人技能を未来へつなぐ:板金手加工の難しさと技能伝承 吉野栄祐氏

<学自研活動レポート>2025年度 関東支部学自研活動の紹介

<学自研活動レポート>2025年度 中部支部学自研活動の紹介