<技術の窓>軽くて安全な車両の創出
─環境と社会にやさしいモビリティの未来へ
未来のモビリティ
─移動の将来展望
近年、自動運転など新たな技術の進展により、モビリティ社会が大きく進展していくことが期待される。本稿では、モビリティとして、主として人間の移動に焦点を当て、交通路の空間と時間のシェア、車両の個別とシェアの視点から、自動運転を前提とした通信技術を活用した未来のモビリティを展望する。
人と機械が意思を通わせるかのような走行を実現する新感覚4脚型オフロードモビリティ
人と機械が一体となる新感覚の4脚型オフロードパーソナルモビリティ「CORLEO」。ロボティクスによる4脚の悪路安定走行性能に加え、全く新しい概念で開発される操縦システムを併せ持つ。ライダーは、まるで自分の体の一部を操るかのような感覚で、移動能力を拡張し、自由自在に悪路を駆け巡ることができる。
モビリティロボットUNI-ONE
UNI-ONEは、ASIMO開発で培った人協調バランス制御と独自の全方位移動機構により、歩行に近い自然な操作性を実現した着座型モビリティロボットである。歩行負担の軽減、施設回遊性向上、業務支援、AR連携による新体験創出など、多様な価値提供を通じてボーダレスな移動社会の実現を目指す。
UMIAILE ASVが拓く「高度0mの人工衛星」
従来の海洋観測は大型有人船に依存し、観測頻度と密度に構造的制約があった。本稿では、水中翼による姿勢制御を用いた小型自律型無人水上艇「UMIAILE ASV」を紹介する。小型・高速な機体と群制御により、海洋データを高頻度かつ継続的に取得する「高度0mの人工衛星」という新たな海洋観測インフラの構想を示す。
水素燃料電池油圧ショベルコンセプトマシンの紹介
中・大型の建設機械は、電動化で先行する小型の建設機械に比べよりエネルギー密度の高い動力源が必要となる。小型の建設機械で利用が進んでいるバッテリと比べると水素は、エネルギー密度が高く、バッテリの充電よりも短時間で水素燃料充填が行えるため、中・大型の建設機械に有効な選択肢と考えて、コンセプトマシンを作り上げ、研究開発を推進している。
南極観測事業を支える雪上車開発
─OHARA-LAVの開発と技術的挑戦
新型南極観測用車両LAV(Large Antarctic Vehicle)の開発にあたっては、南極という過酷な環境下における南極観測隊員の負担を軽減するとともに、より快適な「生活空間」としての車両開発を目指した。本稿では開発の背景、コンセプト及び直面した技術的課題について紹介する。
深海巡航探査機「うらしま8000」
JAMSTECは3,500m級AUVを改造し、8,000m級の「うらしま8000」を開発した。耐圧性能の強化や機体重量の軽減により、試験潜航で国内最深の8015.8mを達成した。本機は超深海の精密な自律探査を可能にし、地震研究や将来の産業利用への貢献が期待される。
交通がつくる「街」と「風景」
─芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」
宇都宮市が2023年に運用を開始した次世代型路面電車「ライトライン」は、新交通システムの成功事例として、大きな注目を集めている。国内の軌道事業として初となる上下分離法式の採用、公募による車両デザインの決定などの導入経緯と、車両構造や安全への取り組み、導入効果と将来展望について取材し紹介する。
<ホットトピックス>高速度赤外線カメラを用いたディーゼルエンジンピストン表面の時系列温度分布計測
燃焼CFDでは各現象を表現したモデルを組み合わせることによりシリンダ内の燃焼を再現している。しかしその再現性には課題があり、特に壁面熱損失の精度検証が必要である。本報では高速度赤外線カメラを用いてピストン表面の赤外放射を直接可視化し、検証に必要な実機エンジンにおける時系列壁面温度分布を計測した。
<ホットトピックス>無信号交差点における順行左折車両に対するサイクリストの行動意図の分析とモデル化
本稿では、無信号交差点における左折車両に対するサイクリストの判断モデルを構築した。サイクリストの行動意図を示す情報としてペダル・ブレーキ操作に着目し、シミュレータでデータ計測とモデル化を行った。モデルの評価結果より、提案モデルがサイクリストの判断を一定精度で表現可能であることが確認された。
<ホットトピックス>触媒的水素化分解法によるエポキシ樹脂およびその複合材の革新的リサイクル技術
エポキシ樹脂は架橋構造を有する熱硬化性樹脂であり、その複合材はリサイクルが困難である。本研究では均一系Ni触媒または不均一系Ni–Pd/CeO₂触媒を用いたエポキシ樹脂の水素化分解により、樹脂複合材からフェノール類および炭素繊維・ガラス繊維を回収することに成功した。
<ホットトピックス>DX手法によるナノセルロース強化樹脂複合材料開発の加速
CNFの沈降挙動を機械学習で解析し、比表面積(SSA)を迅速推定する手法を提案した。XGBoostとCNNで高精度を達成し、CNN推定SSAを活用しPP/LCNF複合材の衝撃強度予測も向上させ、材料設計への有用性を示した。
<ホットトピックス>環境配慮型コンクリートの開発と社会実装に向けた取組み
コンクリートは、CO₂排出量の多い材料であり、脱炭素社会の実現に対しては負の存在であった。しかし、最近では、カーボンリサイクル技術の1つとして、セメント・コンクリート分野に大きな期待が寄せられている。本報では、脱炭素社会への貢献に資する「環境配慮型コンクリート」技術の全般について概説する。
<ホットトピックス>高次元設計変数空間における大域的な最適設計技術の検討
現実的な最適設計問題においては、設計変数の数は多くなり、高次元の設計変数空間において最適設計が行われることになる。本稿は、多数の設計変数を有する形態最適化問題を機械学習技術や応答曲面法を用いて解いた事例や、次元削減技術を用いて高次元の設計変数空間を低次元化して扱った事例について紹介するものである。
<超の世界>真空起源の力を操る
─有限密度カシミア効果の定式化とナノテクノロジーへの展開─
<スポットライト>進む交通環境の多様化
─交通事故因子の顕在化と事故抑制のための技術・環境要件の調査・分析─
<標準化活動レポート>パワートレイン部会ピストン関連部品分科会の活動状況報告
<みんなのモーターサイクル工学講座>振動・音解析の基礎知識