資源の塊である使用済み自動車のリサイクルは、今後とも高度化が求められている。また近年では電気自動車が市場投入されモーターや駆動用電池等に対する新たな適正処理とリサイクルへの取組みが求められている。本委員会では自動車リサイクル技術に関して外部専門家による講演及び各種調査を行い、リサイクル技術の課題や将来動向をまとめその成果を自技会の学会等で発表する。これらの活動をとおして自動車技術会の会員や関連技術者等へ各種提案を行い、自動車リサイクル技術の向上と発展に寄与することを目的とする。
委員長 | 古山隆(東北公益文科大学) |
幹事 | 大矢仁史(北九州市立大学)、佐野慶一郎(関東学院大学)、丸山慎一(トヨタ自動車) |
委員 | 大学・官庁等7名、企業・民間団体等8名、オブザーバ等7名 合計17名 |
昨年度に引き続き、“Car to Car”リサイクルを目指すための一歩として、ELVから発生する樹脂のリサイクル技術について調査を行うと共に、①自動車のライフサイクルから見た省エネ効果、②廃棄物としての処理から見たコスト的なメリット、③LCA、3つの観点から樹脂リサイクルの有意義性を見出すことを目的とする。得られた結果については春季大会OSにおいて企画発表を行う。
【全体評価】
自動車リサイクル法が施行されてから約10年が経ち、法律で義務付けられている自動車リサイクル率やASRリサイクル率が十分達成されている中で、本部門委員会における自動車リサイクルの意義や目的が近年漠然としている状況にあった。そこで本年度の前半では、発足から今日まで活動状況を当時の議事録等を用いて振り返り、今後の部門委員会の方向性について集中的に議論を行った。その結果、「採算性」、「国境などの境界」、「エコカー」、「エネルギーシステム」等のキーワードを踏まえ、当面は“Car to Car”を目指したリサイクル技術について調査研究を行うこととなった。 部門委員会の方向性が定まったことにより、本年度の後半では、自動車に使用されているプラスチック(主にポリプロピレン)のリサイクルをテーマとし、他業界の現場担当者との意見交換や企業の見学会を行った。これらの活動により、技術や採算性ならびにエネルギー効率の観点から自動車に使用されているプラスチックリサイクルの重要性をある程度明確にすることがでたため、次年度に「自動車プラスチックリサイクルの意義」というテーマでフォーラムを開催することとなった。
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種別 | 日時 | 内容 |
オーガナイズドセッション |
5/21~5/23 |
リサイクル材の高度化技術 -使用済み材料の付加価値を向上させる技術開発について-
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