環境と地球にやさしい最近のエンジン
Recently Developed ICE are Environmentally Friendly

地球温暖化やエネルギー、環境汚染問題に対応するために、世界中で燃費・排出ガス規制の更なる強化が求められています。内燃機関のエンジンは少なくとも今後数十年は残っていくことが予測されており、燃焼や代替燃料、ダウンサイジング、触媒など環境性能向上の実現に向けた技術開発が続けられています、本号では環境と地球にやさしいエンジン開発のために、どのような技術が採用されているか紹介します。

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環境に対応した乗用車用パワートレインに関する将来展望─内燃機関の発展と役割を中心として─

各国では2030年までに燃費基準が強化される。わが国では、乗用車用エンジンの高効率化の研究が産学連携によって取り組まれ、その成果は従来車のみならず、HVやPHVの燃費向上にも活用される。今後の充電電源の低炭素化に対応して、PHVはEVやFCVへのシフトの橋渡し役を中長期にわたって演じるものと予想される。

我が国の燃費及び排出ガス規制の動向

我が国は省エネ法に基づき、自動車の燃費基準を定めている。乗用車については、2019年6月に2030年度を目標とする新たな燃費基準をとりまとめた。排出ガスについては、 2015年に発生したディーゼル車の排出ガス不正事案を踏まえてRDE検査を導入するとともに、2019年3月にガソリン直噴車等の排出ガス規制を強化した。

自動車とそのエネルギーに関わる政策動向

‟ゼロエミッション”という究極の(夢の)パワートレインに向け、将来のモビリティとそのエネルギーはどうあるべきか、その考察の一助になるよう、ここでは、昨年あたりから活発化している自動車とそのエネルギーに係わる政策動向について整理し紹介する。

1.0L直列3気筒ガソリン直噴過給ダウンサイジングエンジンの開発

低燃費と走行性能を両立する新型1.0 L 直列3気筒VTEC TURBOエンジンを開発した。当エンジンは1.5 Lと2.0 LのVTEC TURBOエンジンと燃焼コンセプトを共通としながら、加えてフリクション低減を徹底した。当エンジンを搭載した車輛は、欧州モード燃費を従来エンジン比で26%低減しつつ、低中速トルクを20%向上することで走行性能の向上を達成した。

コンパクトSUV用新型4B40エンジンの開発

新開発4B40エンジンは新世代コンパクトSUV用のエンジンとして開発。アクティブな走りを実現しつつ、ダウンサイジング直噴ターボ化技術や高度な後処理技術等により高い環境性能を実現した。本稿ではこの技術内容を紹介する。

新開発V6 3.5L過給ガソリンエンジン

レクサスLSの刷新に伴い、「動力性能とドライバビリティ」「環境性能」「静粛性」の4つの突き抜けた性能を目指し、新型V6 3.5L過給ガソリンエンジンを開発した。高出力と高熱効率を達成する為、高速燃焼コンセプトを過給へ適用し、最高出力310kW(比出力90kW/L)、最大トルク600Nm、最大熱効率37%を実現した。

SKYACTIV-G 2.5気筒休止エンジンの開発

マツダは、走る歓びと環境性能を高次元で両立させた「SKYACTIV-G」を開発し、市場で好評を得ている。一方で、他社はダウンサイジングエンジンを量産し、SKYACTIV-Gの優位性を脅かしている。これに対しマツダはこのたび新型エンジンを開発し、新型CX-5に搭載した。新型エンジンは、SKYACTIV-Gの燃焼技術/抵抗低減技術の進化に加え、気筒休止技術を採用することで、全ての負荷領域でダウンサイジングエンジンの熱効率を上回ることができた。本稿では、このエンジンのコンセプトと導入した新技術について、気筒休止技術を中心に紹介する。

Euro6d-TEMP対応1.6Lディーゼルエンジンの開発

新型1.6Lディーゼルエンジンは、RDE(Real Driving Emission)規制を含めてEuro6d-TEMPを満足するように設計されている、 規制に適合させるために、NOx吸蔵還元触媒やスチールピストンなどが適用されている。本稿では、新型エンジンに適用されたこれらの技術の詳細について紹介する。

大型商業車用新型6R20&6S10エンジンの開発

三菱ふそうトラック・バス株式会社 は大型商用車向けに、平成28年度排出ガス規制に対応した6R20型と6S10型の新型エンジンを開発した。これらは、従来の12.8Lエンジンから10.7L、7.7Lに小型化され、150〜500kgの軽量化を実現し、クラス最高の性能と高い燃費と優れた環境性能を可能とした。新しく採用した技術および特徴について紹介する。

平成28年排出ガス規制対応GH11エンジンの開発

UDトラックスの新型Quonに搭載されるパワートレインについて紹介する。平成28年排出ガス規制に適応させなおかつ低排出ガス認定を受けた。エンジンの最適化、トランスミッション、ドライブラインの最適化により平成27年度重量車燃費基準+5%を達成し従来比燃費向上も実現した。

新開発 SKYACTIV-D 1.8の紹介

SKYACTIV-D 2.2 とSKYACTIV-D 1.5 では、超低圧縮比と高効率過給をイネーブラにした燃焼コンセプトによって、幅広いユーザーへトルクフルかつ伸びやかな走り、クラストップレベルの燃費、NOx触媒を用いずに最新の排気規制に適合するクリーン排気の提供を実現した。この価値を日常的に使用されるシーンにおいて、更に高いレベルで「走る歓び」と「優れた環境性能」の両立を狙ったSKYACTIV-D 1.8 を新たに開発し、新型MAZDA CX-3に搭載した。本報ではこの新型エンジンの開発コンセプトと、新たに採用した技術について紹介する。

小型商用車用新型3Lディーゼルエンジンの開発

いすゞ自動車は小型商用車エルフ搭載の新型4JZ1エンジンを開発、いすゞが考える次世代ディーゼルエンジン開発コンセプト “D-CORE” の思想に基づき、 更なる高効率化の追求・ 環境性能と経済性の高次元での両立を目指した。また基本構造部品の全面刷新とエンジン近接DPD化により、小型商用車としてのエンジンの理想を追求、燃料噴射量フィードバック制御・可変動弁機構・EGRモデルベース制御・尿素SCRといった技術を採用し、平成28年排出ガス規制対応と商品力の大幅向上を図った。本稿ではそれらの技術について紹介する。

新型ハイブリッド用水平対向エンジンの開発

近年の法規対応および社会貢献として更なる高効率エンジンの開発が求められている。開発プロセスとして、(1)単気筒エンジンにおける各要素開発および検証試験、(2)単気筒エンジンにより得られた知見を4気筒エンジンに投入した検証試験、の流れで高効率エンジンの開発を遂行し、狙いとする熱効率を達成できた。

建設機械向けハイブリッドディーゼルエンジンの開発

近年、建設機械向けの動力に於いても電動化の動きが見られる中、トヨタ自動車の商用/SUVで実績のある1KDディーゼルエンジンを改良し、74kWクラスで世界初の尿素SCRレスで国内オフロード法2014年基準、欧州StageⅣに適合した建設機械向けハイブリッドディーゼルエンジンを開発したので紹介する。

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