バーチャルリアリティの世界を見てみよう
Let's take a look at virtual reality

バーチャルリアリティは、人の感覚器(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)に働きかけることによって人が本来もっている能力を拡張する道具であると言われています。
本号ではバーチャルリアリティを理解する上で基礎となる考え方や周辺技術(拡張現実(AR)、複合現実(MR)等)の概観・動向・課題等をはじめ、エンタテイメントや教育訓練等の分野において、どのように活用されているのか、今後どのように結びついていくのか、研究事例を交えて、幅広く紹介します。

このページについて

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第2世代を迎えたバーチャルリアリティの研究開発

第2世代を迎えたと言われているVR技術について、具体的に紹介する。今日に至るまでの技術的進歩について軽く触れた上で、VR技術の主要な応用先である教育、訓練の分野について、VRならではの効用について紹介する。

産業向けVRへのアプローチと実情

デルの産業向けVR/ARの取り組みは、自社だけでなくコンテンツクリエイター、ISV(Independent Software Vendor)、デバイスベンダー、SIの皆様等とパートナーエコシステムで歩み続けてきたものであり、その活動から見えてきた国内の産業界におけるVR/ARの実情をここで紹介する。

テレイグジスタンスと時空間瞬間移動産業

テレイグジスタンスとは、人間が自分自身が現存する場所とは異なった場所に実質的に存在し、その場所で自在に行動するという人間の存在拡張の概念である。1980年に我が国で生まれたテレイグジスタンスは、多くの研究開発プロジェクトを経て、科学技術として発展してきたが、最近になって、テレイグジスタンスを主としたベンチャー企業が生まれるなど、産業への展開の機運が急速に高まっている。加えて、XPRIZE財団が、ネクストチャレンジとして、ANA AVATR XPRIZEを開始し、AI、ロボティクス、VR、ネットワークを統合する新たなテレイグジスタンス産業の形成に向けた熾烈で世界的な競争が始まろうとしている。

バーチャルリアリティの基礎から応用まで

VR技術が誕生して30年が過ぎた。この30年の間にVRという言葉は社会に浸透してきた。本稿では、VR技術の基礎から応用までの概要を解説する。本稿は、広範なVR技術の概要を解説するものであり、VR技術の真髄は本稿では解説しきれない。読者がVRの世界に興味をもつきっかけに本稿がなれば幸いである。

足底への錯触覚提示手法

人は、地面の状態に応じて柔軟に歩容を変更し、転倒せずに歩き続けることができる。これは逆に、地面の情報を制御することで歩容が変化することを示している。本稿では、足底への錯触覚提示による地⾯の質感重畳手法について解説する。また、提案手法を用いた歩行動作支援や手法の拡張技術に関する試みを紹介する。

自動運転におけるAI検証のための体験型バーチャル環境の構築と検証

レベル5に向けての自動運転用AI開発・検証において、従来の実写画像だけでは十分な精度の検証が困難である。AIの検証に最適なバーチャル環境としてフォトリアリスティックなCG画像を用い、効果的なシナリオ生成、より人間が介在する形のユーザエクスペリエンス環境の構築・検証を行い、有効性を確かめることができた。

VR技術を用いた安全で楽しい自動運転車両内インフォテインメント

本稿では、仮想現実感技術を用いて、自動運転車両内でのインフォテインメントを実現することで、様々な高度な技術の塊である自動運転車両でのサービスや過ごし方を考える研究について紹介する。

体験型バーチャル鉱山─仮想空間で鉱山を知る・体験する

近年、資源開発の実務や教育においてバーチャルリアリティが導入され始めている。著者らはヘッドマウントディスプレイ装着型の体験型バーチャル鉱山システムを開発し、教育現場での普及、体験会による社会還元および有効性検証を行っている。本稿ではVRコンテンツの紹介と共に体験者のアンケート調査の結果をレビューする。

ARガイド─スマートグラスを使用した観劇ガイド

スマートグラスは、AR(拡張現実)を自然な人間の行動の中で体験できるデバイスである。大日本印刷は能楽シテ方の宝生会の協力の元、スマートグラスを使った観劇用ARガイドの実験を2016年に開始した。その後、開発、改善を経て、現在宝生会で年間を通じて利用されている。実験から本格導入に至るまでの経緯を紹介する。

「床上50センチの飛行イベント─VRはハンググライダー,パラグライダーの普及活動をどう変えたか─」
その後

2017年に、我々は日本におけるハンググライダーの普及活動にバーチャルリアリティがどのような変化を与えたかを報告した。ここではその普及活動のその後2年間の歩みと、技術的進歩、社会展開における課題等を報告する。

AI/IoT/VR/HMI技術を用いた熟練技能伝承および人材育成

高付加価値製品設計・製造を行うためには、基盤技術や熟練技能の伝承、および知識の創出が不可欠となっている。本稿では、ものづくり基盤技術に必要となる形式知と暗黙知とを連携して設計・製造知識を伝承し、新たな高付加価値製品の製造知識を創出するAI/IoT/VR/HMI技術を活用したバーチャルトレーニングシステムについて紹介した。

自転車シミュレータで見る交通事故

実際の交通環境と同様に身体運動と視聴覚情報の関係性を再現可能な自転車シミュレータをVR技術とMoCap技術を組み合わせて開発した。自転車が自動車と並進している状態から右折して車道を横断する条件において発生する交通事故を対象として、自転車運転時の高齢者の交通事故誘発要因を調査した。

リアルタイム全天球画像提示による腹腔鏡手術支援

本稿では、腹腔鏡手術における全天球映像の有効性の検証を行うために、全天球カメラとHMDを使用した腹腔鏡手術支援システムのプロトタイプを開発し、病変視認ならびに縫合結紮の2種類のタスクによる検証実験を行った結果について紹介する。

没入型歩行リハビリテーションシステム

バーチャルリアリティ(VR)の応用事例として、筆者らが開発したVR空間内をユーザ自身の足で歩きまわることを可能とする歩行感覚提示装置と、ユーザの周囲にスクリーンを配置してVR空間に没入した感覚を提示する没入型ディスプレイを組み合わせた、歩行リハビリテーションシステムを紹介する。

VRトレーニングシステムの三段階─環境,行動,認知

バーチャルリアリティは、多様な環境におけるトレーニングや、自己以外の他者の環境の体験などへの応用がなされてきた。本稿では、VRトレーニングシステムを、環境の制御、行動の制御、そして認知の制御の3段階に分けて捉え、それぞれの事例として英語学習支援システムや認知症体験システムを紹介する。

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