進化する運転支援技術
Evolving Driver Assistance Technology

自動運転の技術は日々進化を続けており、ドライバを必要としない完全自動運転への期待も高まっています。しかし、クルマは単に移動手段という以外に、趣味嗜好的な要素と相まって「クルマに求めるもの」は人それぞれです。本号ではクルマの運転を全て機械任せにするのではなく、主体は「人」という観点から、ドライバの安全・安心をサポートする運転支援技術を幅広く紹介します。

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運転支援の今日的意味

今日において、なお運転支援を議論しなければならないのはなぜか。「自動運転」ではそれ自体が自己目的化してしまいかねないのに対し、「運転支援」では真のニーズに応じた技術をタイムリーに市場に投入していくことに注力できるからであるといえる。本稿では、運転支援の技術開発を進めていく際の留意点について述べる。

交通事故死傷者ゼロに向けた最新の先進安全/
自動運転技術とその展望

交通事故死傷者ゼロの実現に向け、トヨタの最新の先進安全および自動運転技術の概要と取組みについて紹介する。日本国内では高齢運転者の事故が増加している等の特徴もあり、事故類型を考慮した対応について具体的に述べる。

ヘッドランプの最新技術

自動車ランプは安全性を高めるために二つの方向に進化した。一つ目は光源がハロゲンからHID、LED、LDに進化したことで、照射範囲が飛躍的に向上したことである。二つ目は道路形状や対向車の有無など、走行環境に応じて、配光を可変させることで視認性を高めたことである。本稿ではランプの最新技術について述べる。

曇りを抑制しドライバの視界をクリアに保つフロントガラス

“曇りにくいガラス”のニーズ調査から開発の経緯、嬉しさ評価技術の開発過程における課題や解決策の概要について解説する。また、実使用環境における実際の機能(曇りを遅らせる効果)の評価結果、モニターヒアリング結果及び、シミュレーションを活用した電費改善効果の検討結果についても解説する。

G-Vectoring Control Plusの開発

車両の横加加速度に基づき、前後加速度制御と直接ヨーモーメント制御を連係させる G-Vectoring Control Plusを開発した。エンジン駆動トルク制御とブレーキ制御を用いて、旋回中のヨー、ロール、ピッチ姿勢の過渡的な動きを連係させることで、ドライバーの運転操作を安定化し、車両限界性能を向上することができる。

高い安全性を有する次世代タイヤ

当社は次世代のモビリティ社会を想定したタイヤ像であるSmart Tyre Conceptを発表した。最近では、新素材の採用によりタイヤの初期性能を長期間持続させることに成功し、メンテナンスフリーや安全性の持続に繋がる新しいタイヤ技術となった。本稿では、コンセプトの全体像とその開発技術を紹介する。

意のままの走りを実現する車両運動特性に関する研究

クローズドループでの車両に対するドライバの操舵特性を把握し、ドライバが「意のまま」と感じるであろう状態を定義することで、それを実現できる車両特性を明確にした。これにより、従来難しいとされてきた高いレベルの「意のまま」の走りの性能を、比較的具現化可能な車両特性で達成可能であることを明らかにした。

ドライバの脳波解読による運転支援技術

ADASシステムは安全技術だけではなく車の利便性にも貢献することへの期待も高まっている。 同時にConnected Car技術の発展に伴い、運転中にドライバが利用できる情報は、増加傾向にある。脳波の情報を用いて、外部環境への注意、車載情報機器の操作負担、運転操作の予測と車両挙動の最適化に多面的に貢献できるフレームワークを提案する。

居眠り運転を抑制するヒューマンセンシングおよび覚醒維持技術

カメラと赤外線アレイセンサを用いて、10~15分後のドライバの眠気を予測し、エアコンやステレオ等の機器を制御することで覚醒度の低下を抑制し、安全かつ快適に目的地まで運転出来るドライバモニタリング及び覚醒維持システムを提案している。これらを実現する眠気検知、眠気予測及び覚醒維持技術に関して解説する。

ドライバ異常時対応システム─異常自動検知型

ドライバーの状態を自動検知して作動するドライバー異常時対応システム(以降EDSS) について記述する。世の中での事故実態からASVでの議論が行われ、 国土交通省は「ドライバー異常自動検知システム 基本設計書」を策定。 基本設計書に基づいたシステム開発と、日野固有の自動検知の具現化方法と概要について解説。 また、EDSS作動時の動き、押しボタン式と自動検知式の違いについても記述する。

コミュニケーションのためのライティング技術と将来展望

自動運転時代を迎えた際、安心できる交通環境の為に、自動運転車とその周囲の人々との情報伝達が必要だと考えられている。その解決策として光を用いた情報伝達が期待されている。現在、情報伝達の為のランプは3つの代表的な方式で研究されており、特長も異なる。実現に向けては、共通認識の為のルール作りも重要になる。

クルマと周囲とのコミュニケーションに関する研究

クルマと周囲とのコミュニケーションは周囲交通の安全性や円滑性に寄与しており、ドライバは目的に応じて車両挙動や灯火器、身振りを使用する。本稿ではクルマと周囲との多様なコミュニケーションとその影響について概説し、車両挙動と外向けHMIによる自動運転のクルマからの譲りに対して歩行者の認識の特徴を紹介する。

デンソーの次世代コックピットへの取組み

日常生活と同様、車内においても情報量は年々増え続けており、安心して移動する為により一層高度な(気の利いた)情報伝達が求められるようになってきている。検討に際し考慮すべき要因や増え続ける開発量を抑え、魅力ある製品を開発する為のデンソーの取組み、将来キャビンの一つの姿について紹介する。

ADASに対応する法制化の動きと課題,将来動向

急速に進化を続ける高度運転支援システムADASの法制化についての最近の動き、特に衝突被害軽減ブレーキAEBSと自動操舵機能ACSFの国際法規制定経緯とその内容を紹介する。また、自動運転国際法規制定に向けた国連における検討体制と最近の議論状況を述べたうえで現状の課題、さらに将来の完全自動運転法規を展望する。

ドライバー異常時対応システムに対する基本設計と課題

ドライバーの高齢化が進展している我が国において、ドライバーの健康起因事故への対策は一層重要性を増すものと考えられる。そこでASV推進計画において、ドライバーの異常を検知後、車両を停止させる「ドライバー異常時対応システム」のガイドラインが策定されており、そのコンセプトと基本設計、今後の課題をまとめた。

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