機械学習により得られた多次元設計空間の可視化による3気筒エンジンのアイドル振動のロバスト化とメカニズムの解明
省データ数で高精度予測を実現するガウス過程回帰モデルを用いて3気筒エンジンのアイドル振動におけるロバスト仕様特定と現象分析を実施した。ハイパーキューブの活用により製造ばらつきを考慮したロバスト仕様を特定したほか、エンジン剛体固有値の近接がフロア振動を増幅させるメカニズムを明らかにした。
メカニズム解明を支援するAI技術の基盤創発と実践
機械・人・社会に関わる多様な大規模データに対し、メカニズム解明を支援して価値創出や効率化を促進する分析基盤となるAI技術・プロセスの確立を目指している。本稿では、人が理解しやすい処理・可視化とともに重要な特徴・関係性を積極的に抽出できるよう構築した、独自のAI技術とその適用事例について報告する。
機械学習技術が拓く次世代エンジニアリング
機械学習技術は工学的技術と組み合わせることで、従来解決が難しかった問題の解決や飛躍的なアプローチの実現が期待できます。本稿では、官能構造のモデル化、コンポーネントへの割り付け技術、CAEの効率化、理想とする車両挙動や先進的な制御特性の生成等を対象にエンジニアリングに関する機械学習活用事例を紹介します。
加速する生成設計
:車両開発におけるモデル化・設計空間探査・意思決定の枠組み
気候変動への配慮や歴史的洗練化により制約が増す車両設計を想定し、発展が加速している生成設計の枠組みを概説している。これをモデル化、設計空間探査、意思決定の三層構成に捉え直し、実用性を示すため、数学的な感度情報に基づく建設機械の防音設計とデータ群に基づく油圧変速機の圧力脈動制御を実例に挙げている。
生成AIを用いた車体形状流れに起因する空力騒音予測システムの開発
車体形状に起因する空力騒音の予測時間短縮を目的に、IDS結果を教師データとした生成AIモデルを構築した。VAEによる形状特徴量抽出と回帰モデルによりIDS分布を高精度に推定し、計算時間を大幅に削減できることを数値検証で確認した。
AI手法を用いた自動車用HVACのBPF騒音予測技術
自動車用空調ユニット(HVAC)の送風機で発生するファン回転1次騒音(以降BPF騒音と呼ぶ)について、従来の空力音響計算を量産設計段階で適用するためには、計算コストの抑制、解析スピード向上が課題である。本論文では、「蓄積した実験評価データ」と「解析結果データ」を組み合わせてBPF騒音を予測するAI技術を紹介する。
AIを活用したルーフパネル1次固有振動数予測手法の検討
開発初期段階で取得可能な形状情報から、ルーフパネルの一次固有振動数を予測するAI技術を用いた手法を検討した。CAEモデルを形状変更して教師データを生成し、既存の畳み込みニューラルネットワークモデルに転移学習を適用して学習を行った。その結果、画像表現が予測精度に影響することを確認した。
機械学習を活用した自動車走行音の音響特徴量の抽出とサウンドデザインへの応用
本稿では、機械学習による自動車走行音の音響特徴量抽出手法について、AIの精度向上のための暗騒音除去と音響特徴量分離手法や、AIを用いた高精度の分類手法、およびカテゴリごとに共通する音響特徴量の可視化手法について解説する。また、自動車のサウンドデザインや印象評価予測への応用についても紹介する。
AI時代のデータ駆動型エンジニアリングの新地平
AI技術の進化により、エンジニアリングにおける役割は補助的機能から価値創出へと転換しつつある。本稿では振動騒音分野を対象に、深層学習等の技術を物理モデルやドメイン知識と組み合わせた活用事例を紹介する。また、AIファブリックの可能性と、そのために必要なデータ基盤整備の重要性を論じ、AIの開発プロセスへの適用に向けた展望を示す。
姿勢推定AIを用いた頭部動揺計測手法の開発
―列車酔い評価の高度化に向けて
乗客の多様な過ごし方(PC作業・読書・スマホ操作など)を考慮した列車酔い評価の高度化のためには、乗客の頭部動揺と酔いの程度との関連を詳細に検証する必要がある。本研究はその方法論的研究として、車内に設置した2台のカメラ映像に姿勢推定AIを適用し、乗客の頭部動揺を非接触かつ三次元計測する手法を開発した。
音響メタマテリアルの機械学習によるサロゲートモデルを用いた設計最適化手法に関する研究
自動車の車内静粛性向上と計算コスト削減に向け、音響メタマテリアルの設計最適化手法を提案する。ガウス過程回帰によるサロゲートモデルで計算を高速化し、遺伝的アルゴリズム等を用いた多目的最適化を実施した。その結果、特定の目標周波数で吸音率を最大化する最適寸法を効率的に特定し、本手法の有効性を検証した。
<ホットトピックス>放射光を活用した車載用リチウムイオン電池材料分析技術の取り組み
電気自動車用リチウムイオン電池は高エネルギー密度化と安全性・耐久性の両立が課題である。放射光分析により活物質内部および電解液界面の局所的な劣化挙動を解析し、正極構成元素であるNi の高価数成分割合と劣化進行の相関を評価可能とした。
<ホットトピックス>自動車運転時のドライバーの操作予測と情動推定に関する試み
自動車での消費エネルギーおよびCO₂低減を実現し、かつドライバーに不快感を覚えさせないような走行状況によっても変化するドライバーの特性を考慮したパワートレインの制御システムの構築を目指し、著者らのグループで検討しているドライバーのアクセル操作予測および感情推定に関する研究について紹介する。
<ホットトピックス>新奇なミルフィーユ構造と新規なキンク強化法でマグネシウム合金に革命!
疎な硬質・軟質ナノ層状構造を持つミルフィーユ(MF)型Mg合金の作製に成功した。硬質層の間隔が約10 nmであるMF型Mg0.4Zn-1.0Y (at.%)合金押出材はキンク強化して417 MPaの驚異的な降伏強さを示した。MF型Mg合金は構造材料分野にパラダイムシフトをもたらすものと期待される。
<ホットトピックス>自動車向けポリカーボネート樹脂、帝人におけるサーキュラーマテリアルへの取り組み
―ソルベントベースドリサイクルについて―
市場から回収されたPC樹脂を溶媒で溶解・精製し、再利用可能なポリマーへ戻すソルベントベースドリサイクルで生産したリサイクルPC樹脂は、 高い透明性を有するため、廃棄されたヘッドランプから新しいヘッドランプへリサイクルするなど、高い透明性が求められる製品への水平リサイクルを実現するとともに、化学的分解によって原料まで戻す工程を伴わないため、ケミカルリサイクルと比較して、経済合理性を確保できるほか、CO₂排出量の抑制にも貢献するなど、環境負荷の低減と資源循環を両立する技術である。
<ホットトピックス>円柱径分布の最適化による電気自動車用バッテリ冷却流路の設計
電気自動車用バッテリーの温度むら低減を目的に、二次元冷却プレート内の円柱の直径を設計変数とし、等価多孔質モデルで温度分散を最小化する手法を紹介する。1.0 m × 1.5 m領域内150本の円柱に対し最適化を行うと目的関数は初期値の12%となり、得た解を再構築した円柱列の高忠実度計算でも速度・温度分布の傾向が概ね一致した。
<ホットトピックス>質問応答データベースと大規模言語モデルを用いた車室内音声対話システム
―実走行中の自由発話収集と応答可能性の分析―
本稿では、質問応答データベースと大規模言語モデルを組み合わせた車室内音声対話システムを紹介する。実車走行中にWizard of Oz方式で自由発話を収集し、両方式の応答可能性を分析した結果、文脈依存質問や仮定質問で、大規模言語モデルがデータベース型応答の範囲を補えることを示した。
<超の世界>新開発極微非線形分光法で観る1億分の1メートルの分子集団の世界
―不均一な材料表面における分子メカニズムの解明へ―
<スポットライト>車載スピーカーの新技術「Isolation Frame」を開発
─車体への振動伝搬を抑制し、歪みや濁りのない音響空間を実現─
<標準化活動レポート>新規標準化案を導出するプロセス
<匠の技>技能五輪という舞台から、世界で活躍する現場へ 小山内 俊文氏
<学生フォーミュラの日々 そして 今>学生フォーミュラが教えてくれたこと