がんばれ!内燃機関
~最新技術と10年後の姿~
Stick to it, ICE ! -The latest technology and the aspect in decade -

内燃機関技術が過渡期を迎える中、一方で内燃機関は開発に携わるエンジニアの地道な活動によって、日々進化しています。本号では電動化の波の中で内燃機関の果たす役割や内燃機関の将来の姿をおさえたうえで、パワートレインや要素技術の具現化・量産化、第4次産業革命Industry4.0の中核をなすMBDなどの予測技術の最先端情報を紹介します。

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2030年の乗用車用パワートレインの姿─内燃機関が生き残っていくために─

2019年春季大会にてガソリン機関部門委員会はフォーラム『2030年の乗用車用パワートレインの姿 -内燃機関が生き残っていくために-』を開催した。本稿は各社8名の開発リーダーから明示頂いた内燃機関を取り巻く状況が厳しくなる背景の中で発展的に生き残っていくための課題と技術の方向性についてまとめた。

ディーゼルエンジンの熱効率向上技術

2030年以降に予想される厳しいGHG規制や燃費基準に向けた高熱効率ディーゼルエンジン(CO₂排出寄与度が大きく電動化は最も進み難い大型商用車用を中心として)に必要となる基本諸元と燃焼の考え方に関して、国外の研究プロジェクト成果を交えて概説する。また、カーボンフリー燃料の開発動向についても触れる。

SKYACTIV-X のSPCCI を実現する燃焼技術

SKYACTIV-Xは、従来ガソリンエンジンに比べ極めて高い圧縮比をベースに火花点火伝播燃焼によって圧縮自己着火を制御するSPCCI燃焼を採用した。これにより高希釈/希薄燃焼を実現し、大幅な熱効率の改善を実現した。本稿では部分負荷並びに全負荷で火花点火制御圧縮着火燃焼をどのように実現させたかを詳述する。

DNGA 新型KF-VE7/KF-VET2エンジンの開発

日本国内において軽自動車の販売シェアは約4割を占めており、軽自動車の環境性能は重要視されている。この要求に答えるため、KF-VE7/VET2エンジンを開発した。本エンジンはダイハツならではの良品廉価の設計思想に基づきエンジンの設計素性を磨き上げ、燃費と走りの性能を大幅に向上させた。本稿ではその成果について記載する。

CO₂低減に向けた大型商用車の高効率化

2010年から5年にわたり環境省助成のもと実施した大型商用車CO₂低減研究プロジェクトにおいて、 HVシステム・ランキンサイクル発電・高効率エンジンを組み合わせた高効率パワートレーンと後処理システム・空力改善に関わる技術開発、 およびその後の大型HVトラックへの技術応用について紹介する。

発進ギヤ付ワイドレンジCVTの開発

燃費性能・加速性能・静粛性能を向上させることを目指し、1.5L、2.0L車両用の新しい金属ベルト式変速機を開発した。発進用ギヤを搭載することでワイドレンジ化と無段変速部の小型化を実現することができた。本稿では、開発のコンセプトとその達成手段について述べる。

エンジン燃焼室壁遮熱の過去・現在・将来

内燃機関の各種損失の中でも冷却損失の割合は大きく、燃焼室からの冷却損失をハード的に低減する試みは従来から多くの研究がなされていた。本研究では従来の遮熱法の欠点を克服する壁温スイング遮熱法を考案し、内燃機関での実用化に成功した。この遮熱法の概要と必要な遮熱膜特性および検証結果と将来への展望を述べる。

エンジンECU に適用される基盤技術

ECUは環境維持、安全性、信頼性のために技術革新してきた。特にエンジンECU開発においては、排出ガス規制対応、小型化、開発期間短縮に挑戦してきた。さらに、我々は将来の自動車社会を考慮し、セキュリティ、機能安全についてのキーテクノロジーを構築した。この解説では、エンジンECUにおける我々のキーテクノロジーについて報告する。

火花点火制御圧縮着火エンジンの開発に適用する燃焼予測技術

熱効率改善に向け、火花点火制御圧縮着火を導入した新型ガソリンエンジンを開発した。本機関は、圧縮着火・ノッキング・プレイグのような混合気の化学反応で起こる自着火現象を完全に制御するために、高度な燃焼予測技術を用いたモデルベース開発が必要である。本稿では、燃焼予測技術の開発と適用事例について紹介する。

MBD 活用のための1D/3Dエンジン燃焼シミュレーション開発とその課題

MBDをエンジン開発のために活用するために1D/3Dエンジン燃焼シミュレーション手法の開発が行われている。エンジン燃焼で、熱効率改善のために希薄燃焼や希釈燃焼を行わせるとサイクル変動が発生し、運転が行えなくなる。この現象を1Dで予測することは現状では困難であり、その予測を行うことが課題である。

空燃比制御を考慮した始動システムシミュレーションの開発

再始動性の向上やエミッション低減のため始動時のエンジン回転速度応答性が重要になっている。本稿では、始動時間、クランキング中電力消費、空燃比制御を同時成立させるための各種設計諸元、モータ制御ロジックならびに、制御パラメータを机上検討できるシミュレーションと、実機確認結果を示す。

液封パルス鍛造法によるヘリカルギヤ成形技術

液封パルス鍛造法とは、被加工材の中空部に油等の液体を注入し、サーボプレスの振動モーションを用いて成形する新しい工法である。今回、成形中の材料流動をコントロールするこの技術を用いて、ヘリカルギヤの成形に成功した。開発経緯を通して、本工法のメカニズム、および生産性や品質への影響について解説する。

ひまし油由来ポリアミドの動向と自動車分野における用途展開

ポリアミド11(PA11)はひまし油を原料とする植物由来ポリアミドである。60年以上自動車用途で使用されており、信頼性のある材料として認知されている。本稿ではPA11の基本的事項について述べ、現在そして将来の自動車分野における用途について紹介する。また、ひまし油を原料とする他のポリアミド材料についても述べる。

移動と暮らしの「エネルギーの家産家消」を実現するエネルギーマネジメント技術

再生可能エネルギーと電動車両が拡大していく上で、不可欠となるバッテリのエネルギーマネジメント技術として、様々な車両タイプやユースケース、太陽光発電状況、電力のダイナミックプライシングに応じた効果を試算するシミュレーションや、動的計画法を用いたバッテリの充放電計画策定に関する技術を紹介する。

トポロジー最適化と形状最適化を組み合わせた手法の適用検討

片持ち梁を用いた基礎検討を行い、トポロジー最適化と形状最適化を合わせて使うこと、複数入力を同時に考慮した最適化を行うことの有効性を確認した。さらに、この手法を車体部品に適用し、元部品と同等の剛性かつ軽量な、生産しやすい構造を得るための手順について述べる。

高速カメラを適用した高精度自車両挙動計測

本研究では、カメラで高速域まで正確に自車両挙動を計測できる手法を提案する。従来、車速が高くなると近傍物体や路面追跡が難しく、距離精度の低い遠方物体を主に使用するため、計測精度が低下する課題があった。我々は、画像を300枚/秒で撮影可能な高速カメラを用い本課題を解決し、公道走行にて効果を確認した。

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