<技術の窓>無人自動運転トラック・バスの社会実装に向けて
モビリティエネルギーのレジリエンス・経済性と走行中・給充電の重要
本稿はモビリティエネルギーを社会的レジリエンスと経済性の観点から論じ、その文脈で走行中給電の意義を俯瞰する前提についても検討した。技術課題や災害対応力を考察。カーボンニュートラル時代に必要な多様なエネルギー組合せと社会受容性の重要性を解説した。
EV 充電インフラに関する課題と解決の方向性
電気自動車(EV)への移行は世界的な長期トレンドとなっている。一方、日本ではEVの普及は遅れており、充電インフラの利便性の低さがその要因の一つといえる。本稿では日本のEV充電インフラの現状を分析し主要な課題を特定するとともに、米国と中国の先進事例を参考にした解決策を示す。特に、利便性向上のためにはシームレスな充電体験の提供が鍵であり、各種サービスの連携基盤となるデータハブの構築と、自動車メーカー・充電サービス事業者・政府機関などの関係者間の協力が必要である。持続可能なEVエコシステムを構築し、充電インフラのサービスの質を向上させることでEVへの移行が進展し、脱炭素化と技術革新に貢献できる。
電気自動車のコネクティッドデータを活用した普通充電におけるプラグアンドチャージの実現
IEC61851-1規格準拠のMode3普通充電器には個体識別機能がなく、充電器と車両の接続関係を把握できないため、プラグアンドチャージ実現の妨げとなっている。充電電流を能動的に変化させていわば指紋を付け、その一致を確認する解決策を考案した。本稿では、同規格に影響を与えずに充電器と車両の接続関係を把握できる本方策を概説する。
鉱山用ダンプトラックのEV化におけるトロリー技術活用の実証試験
鉱山会社からの鉱山用ダンプトラックEV化の要望を背景に、トロリー充電式BEVダンプトラックの実証試験機を製作し、FQM社のKansanshi銅鉱山にて、バッテリ充放電サイクルの測定等の実証試験をした。その結果、ダンプトラックEV化におけるトロリー技術活用の有効性を確認した。
電池依存の常識を疑え
100年後のクルマは「電気モータ」で駆動され、電力インフラから直接エネルギーをもらって走る。大容量電池は姿を消し、パワーの出し入れにすぐれた「スーパーキャパシタ」と、クルマを電力インフラにつなぐ「走行中ワイヤレス給電」がキー技術となるだろう。世界をリードするために、今すぐ大きな舵を切ろう。
e─モビリティのためのワイヤレス給電の標準と規制・制度
本報告はEV向けワイヤレス給電の国内外の動向をまとめている。2011年以降国際標準化の努力が重ねられ、7.7kW以下の国際標準が出揃い、大電力および走行中ワイヤレス給電に関するPAS(公開仕様書)が発行された。米国規格のSAEでも11㎾クラスと大電力用の規格が発行され、走行中ワイヤレス給電規格のRPが発行されている。
電界結合方式ワイヤレス充電による電動モビリティのユーザ負担軽減
電界結合方式ワイヤレス充電は、薄型電極と位置ずれ許容性により、利用者操作を要しない自動充電を実現し、都市型シェアモビリティの充電課題を大幅に軽減する。本稿では、方式原理解説と電極設計、インピーダンス整合、社会実装要件を示し、都市インフラとしての有効性を述べる。
鉄道車両用非接触給電システムの開発
鉄道総研では、磁界結合方式による鉄道車両用非接触給電システムの開発を進めている。本稿では、最大で1両あたり約1MWを伝送可能な10kHzシステム、および地上インバータを廃することによる低コスト化を目指した、最大で1両あたり約300kWを伝送可能な商用周波システムについて紹介する。
アスファルト道路における99 m区間に埋設した走行中ワイヤレス給電用コイル41個の4年間に関する報告
走行中ワイヤレス給電の実現には、道路内へのコイル埋設技術の開発が重要である。コイルを道路に埋設するためには、電気的特性と機械的特性の両立が求められる。本研究では、東京理科大学の野田キャンパス内のアスファルト舗装道路において、4年間にわたりコイルを埋設し、その電気的および機械的特性を評価した。全長99.9メートルにわたって合計41個のコイルを設置し、性能評価のために設計および施工方法に改善を加えた。その結果、2022年および2023年に設置されたコイルのうち20個が、機械的特性を含む要求基準を満たした。入力電圧600Vにおいて94%の効率および50kW相当の出力が達成され、実用に適したコイル設計および施工手法の開発に成功したことが示された。
走行中給電システムの実現に向けたデンソーの取組み
道路に埋め込まれたコイルから走行中の電気自動車に直接電力を供給する走行中給電システム(DWPT:Dynamic Wireless Power Transfer)が注目されている。走行中の給電を実現することで、充電の待ち時間を解消するとともに、電気自動車に搭載するバッテリを大幅に削減することができる。デンソーは走行中給電の社会実装をいち早く実現するため、転送電力20kWの走行中給電の車載システムを開発、EVに搭載し、テストトラックでの50時間の無充電連続走行を実現した。
ワイヤレス給電への取組みと大阪・関西万博での実証
EV普及拡大のための充電インフラ整備が進められているが、ワイヤレス給電は利便性向上だけでなく省資源化や脱炭素化に大きく貢献する技術として注目され開発が進められている。本文ではダイヘンにおけるワイヤレス給電開発の取り組み説明と、大阪・関西万博での実証試験について紹介する。
<ホットトピックス>車載型FTIR式分析計を用いたディーゼル乗用車の台上および実路における排出ガス挙動の評価
本研究では、従来型の車載式排出ガス分析計とFTIR式分析計をディーゼル乗用車に搭載し、台上および路上走行試験を実施した。その結果、CO₂濃度は計測原理の違いによりわずかな差異を示し、この差異はDry/Wet補正に起因する可能性が示唆された。またN₂Oの排出挙動をCOおよびNOの排出挙動と比較し、その排出プロセスについて考察した。
<ホットトピックス>緩やかな減速で危険に対する気づきを促す運転支援
運転中のわき見に対し、穏やかな減速で気づきを促す支援システムを提案する。実車実験により、衝突3.3秒前の0.1G程度が、ドライバーの危険認知を促し、後続車にも違和感を与えない減速であった。ドライバの運転操作監視技術と組み合わせ、注意散漫時のみ作動するよう工夫することで、「優しく確実な支援」を目指す。
<ホットトピックス>EVバスに求められる換気性能
人口減少に伴う経済成長の停滞と高齢化の進展は、国内路線バスの多くを赤字経営に追い込んでいる。公共交通機関における車内環境の快適性向上は、新たな付加価値創出に資する重要な技術的課題である。特に、カーボンニュートラルに貢献するBEV(Battery Electric Vehicle)路線バスにおいては、エネルギーロスを抑制しつつ、車内の空気質および温熱環境を最適に制御する換気技術の確立が不可欠となる。本稿では、いすゞ自動車が2024年6月に発表した国内初のBEV路線バスを対象とし、その換気性能評価ついて解説を行う。
<ホットトピックス>異種材接合技術
自動車部品の小型化に向けて、異種材接合の技術開発に着手。技術課題は“接合強度”と“シール性”の両立.良好な結果を示した“アイシン特許×フェムト秒ファイバーレーザ技術”の紹介を交えつつ、評価・解析結果を報告する。
<ホットトピックス>自動車/半導体業界における複合材料の応用と技術動向
レーザによるアルミ・樹脂接合処理を中心に
複合材料は、異なる材料の特性を融合して、軽量・高強度・高熱伝導など多様なニーズに応えるものである。特にAl-SiCのような金属基複合材料は、自動車や半導体分野での構造材や熱管理部材として注目されており、製法技術の進展により用途展開が期待される。
<ホットトピックス>3次元形状取得技術を活用したエアバッグシミュレーションの高度化
エアバッグは車両における重要な拘束システムであり、その展開挙動を正確に予測することは重要な課題である。従来シミュレーションと実験の比較はセンサーデータや動画による間接的な比較に依存しており、高速かつ複雑に変形する展開中のエアバッグの差異を直接的に評価することは困難であった。本稿では、複数の高速カメラ動画からの3Dアニメーション構築技術と形状の次元圧縮技術を組み合わせた手法を導入し、試験結果とシミュレーション結果の差異を定量的に評価手法を提案する。
<超の世界>原子核の形は「アーモンド」
70 年目の真実
<スポットライト>CO₂排出ゼロの浸炭技術,建機用ギヤ製造で有効性を実証
<標準化活動レポート>ビークルダイナミクス部会摩擦ブレーキ分科会における標準化活動
<学生フォーミュラの日々 そして 今>いい車を作るために考え続ける