自動運転の新しい流れ Ⅱ
New Trends of Automated Driving Technologies II

本号では2020年10月号に引続き「自動運転の新しい流れ」を特集しました。CASEの大きな柱である自動運転は、さまざまな新しい考え、新しい技術を生み出し続けています。日本の自動車業界が関連する業界と手を取り合いオールジャパンとして、世界と競争・共存していくための、自動運転の最新の流れを紹介します。海外の動向や国の施策、大学の研究、地方都市の取組みやOEM各社の動きなど、幅広く記事を集めました。是非ご覧ください。

このページについて

  • 本ページでは、会誌特集記事の抄録をご覧になれます。
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ビジネスとしての自動運転

自動運転を具体的にビジネス化する動きが加速している。それは、需要がありかつ技術的に実現可能な、具体的なルート・シーンの設定から始まっている。自動運転の普及に向け、どのようなルート・シーンでビジネス化を目指すのか、そのために何をすべきか、短期・中長期の観点でロードマップを描くことが求められている。

自動運転の現状と課題─自動運転車は特別なクルマなのか?─

日本において世界で初めて型式指定を取得したレベル3自動運転車の販売が開始され、自動運転は一般社会への導入、普及に向けて大きな一歩を踏み出した。本稿では、自動運転車の安全に関する基本的な考え方を概説し、自動運転車が広く社会に普及していく中で、解決していかなければならない課題について考えを述べる。

自動運転安全性評価プロジェクトの解説

より安全、効率的で自由なモビリティ社会を実現するために、自動運転の安全性評価技術の確立が喫緊の課題である。本稿では、自動運転安全性評価の仮想環境プロジェクトDIVPと評価シナリオデータベースプロジェクトSAKURAを自工会が横串を指して合同推進するTF活動及び背景となる国際基準・標準の動向を概観する。

レベル3自動運転システム─トラフィックジャムパイロット

レベル3自動運転システムであるトラフィックジャムパイロットは歩車分離された高速自動車国道において渋滞時に動作する。ドライバの代わりにシステムが動的運転タスクを実行するためには高い性能目標を達成する必要があり、センサフュージョン技術や自車位置推定技術、予測制御技術の性能を高めることで実現可能となった。

自動運転による超小型モビリティの公道走行実験

浜松市では、社会課題の解決を期待できるスタートアップ企業の実証実験を積極的にサポートしている。この一環として、2020年11月、浜松市内において自動運転による超小型モビリティの公道走行実験を実施した。当記事ではその結果および今後の考察を紹介する。

オフロード環境下における不明瞭な路面境界に対する自動操舵制御技術

今までに農道特有の環境で実車実験を重ね、オフロード環境下で自動運転を行うための課題を解決してきた。オフロード環境下では道路境界は不明瞭であるため、それに基づいた車両の操舵は敏感になってしまう。今回、Path Following 制御に非線形重みを導入し、車両が安全に走行できるような技術を紹介する。

路面状態センシング技術への新たな取り組み─タイヤと路面間の電気的変化に着目したセンシング方式

路面状態を把握する手段は、カメラやLiDAR、ミリ波レーダといった光や電波のほか、タイヤとの相互作用で発生する機械的な振動や電気的な変化を利用した方式が提案されている。走行時の車両に生じる準静電界と呼ばれる電位変動が、路面の電気特性に起因することに着目した新たなセンシング方式を中心に紹介する。

未来の移動サービスを自動運転とのシナジーで生み出す「シナジックモビリティ」とその情報基盤「Synerex」

自動運転が普及した未来において、異なるサービスを同一の車両上で同時に運用し、シナジー効果を生みだすことが可能な「シナジックモビリティ」のコンセプトを解説する。さらに、需要と供給という概念で多様なサービス需給を整理し、柔軟なサービス間連携を可能にする情報基盤「Synerex」を現在の情報基盤の課題解決と共に解説する。

全国自治体初の自動運転バスの社会実装

苦境に立つ地域公共交通における切り札として注目を集める自動運転。「横に動くエレベータ」をコンセプトに茨城県境町で全国初の自動運転バスの社会実装が始まった。低速と高頻度という自動運転バスの特性を活かした新たなモビリティのあり方を述べる。

自動運転の実用化に向けた協調ITSシステムの開発

国土技術政策総合研究所では、「次世代の協調ITSの実用化に向けた技術開発に関する共同研究」を実施しており、高速道路等での自動運転の実現に向けた道路インフラ側からの情報提供サービスを検討している。本稿では、共同研究の全体像、情報提供サービスの概要、東京臨海部実証実験(合流支援情報サービス)の概要を述べる。

次世代モビリティのよろず相談所としての群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター

群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)は、新しい交通手段とそれらを用いた街づくりを研究するために2016年12月に設立された。また行政や企業に対する、新しい交通手段の「よろず相談所」としての活動も重要である。本稿では主に自動運転に関して、この活動から生まれた成果を紹介する。

<HOT Topics>再生炭素繊維を活用したCFRP(炭素繊維強化樹脂)技術の開発

CFRP端材及び廃材より省エネルギーで取り出した再生炭素繊維を用い、独自技術である抄造を活用した新たなCFRPを開発した。抄造工法により長繊維を配合、またフェノール樹脂との最適な混合により、強度とコストの両立を図った。更にX線CTを用いて繊維配向と強度の関係も評価した。

<HOT Topics>光を用いた非接触・高精度な気体温度測定─分子の運動を新たな光源「光周波数コム」ではかる─

ボルツマン定数を利用した新しい熱力学温度測定法の一つとして、デュアルコムによる気体温度の計測法を紹介する。この手法は、気体分子が特定の周波数の光を吸収する性質を利用したレーザ分光法の一種で高精度・高速・広帯域といった特徴を持つ。測定光を気体分子に照射するだけであるため、現場計測への高い適用性も期待できる。

<HOT Topics>界面活性剤注入による抵抗低減乱流境界層の大規模流れ構造

水流に微小量の界面活性剤を添加すると乱流摩擦抵抗が著しく低減することが知られている。非イオン性の界面活性剤水溶液を乱流境界層流れに注入することで、抵抗低減率が大きい下流域において、流れ方向に引き伸ばされた大規模流れ構造が間欠的に生じることを広範囲PIV計測により明らかにした。

<HOT Topics>100%電動駆動のハイブリッド車のNV性能開発

100%電動駆動ハイブリッドシステム(以下e-POWER)は加速と静粛性の良さ、そして充電要らずの利便性を兼ね備えている。EVの静粛性に近づけるためエンジン制御見直しによる始動頻度の低減、回転数の最適設定、ロードノイズ推定に基づく始動タイミングの制御を開発した。

<HOT Topics>自動運転の社会受容性と保険の役割─レベル4を見据えた損害保険会社の倫理的課題

自動運転技術が進展し法整備が進む中で、レベル4を見据えた事故時の補償の在り方に注目が集まっている。本稿では、この課題に応え自動運転の社会受容性を高めるために損害保険会社がどのような保険と関連するサービスを提供できるか、ELSI(倫理的、法的、社会的課題)と捉え、論点整理を行った。

<HOT Topics>快適な移動を提供する自動運転車の軌道計算とその追従

自動運転において、車両の快適性は安全性に次ぐ重要な項目のひとつである。本稿では、自動運転による車両運動を快適にするために、加速度やJerkを抑えた最適な軌道を設計する手法と、車両やアクチュエータの遅れを補償しつつ、計画した軌道へ正確に追従する車両制御を説明する。これらは、実車実験により有効性を確認する。

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