人・荷物・社会を守る安全技術

本号では、「人・荷物・社会を守る」をキーワードに、自動車の安全技術を未然防止と被害低減の両面から捉え直しました。人を守る運転支援やAI、荷物を守るコネクテッド・物流技術、社会を守る水素安全、通信、セキュリティ技術まで、安全の対象は車両の枠を超え広がっています。多様な技術と視点を横断的に俯瞰することで、安全の本質と今後の課題に改めて目を向けました。本特集が次の価値創出の一助となれば幸いです。是非ご覧ください。

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現地現物はやはり必要!
― WEB活用時代のプロジェクトマネジメント ―

最近の自動車安全基準の動向
― 国際基準調和と自動運転 ―

我が国の交通事故死者数は減少を続け世界で最も安全な国の一つになっているが、近年横ばい傾向にある。交通事故のない社会を目指し国土交通省が行っている自動車安全対策、特に基準に関する動向をまとめる。世界的に開発が進められている自動運転システムの基準のの国際議論の動向についても紹介する。

モビリティ安全技術の進化と社会実装
― 人・荷物・社会を守る安全技術の展望 ―

自動車安全技術は、衝突被害低減を中心とした完成品安全から、OTA更新・サイバーセキュリティ・デジタルツイン等を活用した継続安全へ移行しつつある。本稿では、人・荷物・社会を守る最新技術を俯瞰し、PreventionとResilienceを両立する安全基盤の方向性を展望する。

SUBARU独自の安全技術アイサイトの進化と価値

ステレオカメラを中心とする運転支援システム「アイサイト」は、リアルワールドを重視した開発を進めてきた。2025年発表の新型車では、2030年死亡交通事故ゼロの実現を目指し、ソフト刷新と周辺センサ協調により運転支援性能を大幅に進化させた。本稿では、進化した運転支援機能の技術に着目し、取り組み事例を紹介する。

ごみ収集車用AI画像認識安全支援システムの開発

ごみ収集車の積込装置への巻き込まれ事故防止のため、画像認識用マーカを必要としないAI安全支援システムを開発した。従来の安全装置の作業性との背反に対し、作業員の高齢化や人手不足、多様化が進む現場に即した開発コンセプトを立案、人物識別技術を用いて実用性と安全性を両立した技術的詳細を述べる。

二輪車の安全装備の進化におけるエアバッグという選択肢

本稿は、二輪車の安全装備の進化を概観し、着用型エアバッグを新たな選択肢として解説する。作動方式、検知・展開技術、衝撃吸収の考え方、安全規格、選定基準を整理し、二輪以外への応用可能性にも触れる。

架装コネクテッドの取り組み
― 商用車における架装領域を含めた稼動把握技術

商用車の安全を「人」だけでなく「荷物」の品質維持まで含めて捉え、シャシと架装を別個に管理してきた従来構造がもたらす課題を整理する。既存のコネクテッド基盤と外部連携を活用し、架装領域を含めて車両全体の稼動状態を把握する架装コネクテッドの考え方とシステム構成について解説する。

荷物を守る包装貨物振動試験
― 非ガウス型ランダム振動試験に関する研究の紹介 ―

流通過程において、製品は様々な物理的ハザードにさらされる。包装貨物振動試験は、流通中の振動から製品を保護するのに重要な試験である。本稿では、包装貨物振動試験の概要を説明するとともに、実際の振動をより忠実に再現する振動試験の実施を目指す非ガウス型ランダム振動試験に関連する研究を紹介する。

水素・燃料電池自動車の安全評価試験

一般財団法人日本自動車研究所は、25年以上にわたり水素燃料電池自動車の普及に向けた各種基礎データの収集を実施し、基準策定やその合理化作業に取り組んできた。本稿では、水素・燃料電池自動車の安全評価試験設備での水素安全に関する研究活動について概説する。

消防車両における安全技術の最前線と社会的役割

複雑化する災害救助を支える消防・防災車両は、極限状況下で人命と社会機能を守り維持する「社会インフラ」である。隊員の安全を守るキャビン設計やボデーの軽量化・構造最適化のアプローチを概観し、次世代の防災技術と合流した未来のモビリティが果たすべき役割を展望する。

被災地に通信インフラを提供する車載型基地局

災害時に途絶した通信インフラを迅速に復旧する手段として、KDDIが開発・運用する車載型基地局について述べる。車両艤装技術、法規対応、運用高度化の変遷に加え、Starlink導入および能登半島地震での実運用事例を通じ、その有効性と今後の展望を示す。

DX時代における製品セキュリティの取り組み
― 「セキュリティは品質そのものである」の実践 ―

DXの加速に伴い「セキュリティは品質」として企業が担うべき責任であり、社会の安全・安心を支える基盤となっている。本稿は「Security as Quality」に基づき、製品ライフサイクル全体を通じた実践を示すとともに、ゼロトラスト設計と信頼(トラスト)に基づくガバナンスが相互に機能する組織成熟状態として「自立化(Self-Governance)」を定義する。

<ホットトピックス>道路交通の安全性向上に向けた路面摩擦情報について

道路交通安全に向け様々な取り組みが行われ、事故件数や死傷者数の減少を実現したが、近年その効果に陰りが見え、新たなシステム開発が求められている。本稿は、道路交通安全に関する路面摩擦情報の重要性とその開発に向けた概念について論じ、次に路面摩擦を連続的に測定する我々の手法の詳細と結果について述べる。

<ホットトピックス>ペダル踏み間違いにおけるスキーマ活性化と注意欠損の影響

ペダル踏み間違いの発生メカニズムについて、人の認知処理過程に着目して検討した。不適切なスキーマ活性化と注意欠損の相互作用により踏み間違いが発生するという仮説を導出し、ドライビングシミュレータ実験によりその妥当性を検証した。

<ホットトピックス>太陽光エネルギーを用いた窒素ガスと水からの触媒的アンモニア合成反応

太陽光エネルギーを用いて窒素ガスと水から合成されるアンモニア、いわゆるグリーンアンモニアはカーボンニュートラル社会に適したエネルギーキャリア、および燃料として注目されている。本稿では、グリーンアンモニア合成法のさきがけとして筆者らが開発した、窒素ガスと水からの光触媒的アンモニア生成反応を紹介する。

<ホットトピックス>少量鋳造部品への砂Additive Manufacturing(AM)適用

生産終了後も乗り続けられる旧型車のサービスパーツ供給を目的に、マツダは大量生産前提の従来砂型鋳造を刷新し、少量・不定期生産に対応した新砂型鋳造プロセスを開発した。ブランド価値と事業効率を両立する取り組みの開発経過を報告する。

<ホットトピックス>薄板外板採用時の工程シミュレーションの連携による塗装乾燥熱ひずみ予測精度向上

車体の軽量化を実現するためには、外板に薄板を採用することが望ましい。しかしながら、これには多くの製造上の課題が伴う。中でも、塗装乾燥工程における外板の熱変形を予測することは特に困難である。本稿では、この分野における予測精度の向上を目指し、複数の工程シミュレーションを連携した取り組みについて紹介する。

<ホットトピックス>混在交通におけるELSIとモビリティ設計に関する予備的検討

2023年の制度改正により、歩行者と多様なモビリティが共存する混在交通が現実化した。本稿はPMVの力学特性に着目し、ELSIの観点から道路空間設計との関係を整理する。交通弱者起点の公正な空間配分、制度・技術・社会受容の統合の必要性を示す。

<超の世界>遅い脳細胞が握る記憶の運命

<スポットライト>リサイクル可能な次世代「水系電池」電極材料の開発
素材から脱炭素社会につなげるアプローチ

<標準化活動レポート>自律走行搬送システムの標準化の取り組み

<学生フォーミュラの日々 そして 今>学生フォーミュラと今の私

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