CASEを支える最新カーエレクトロニクス
Latest Car Electronics supporting CASE

CASEに代表される最新のクルマを実現するために、カーエレクトロニクスの重要性はますます高まっています。今号では少し視点を変えて最新の自動車技術を支える「基盤技術としてのカーエレクトロニクス」に着目し、これまであまり取り上げられてこなかった技術分野も含めハード・ソフト両面から幅広くカーエレクトロニクスに関連する技術を特集いたしました。ぜひご覧ください。

このページについて

  • 本ページでは、会誌特集記事の抄録をご覧になれます。
  • 実際の記事については、会員の方は会員マイページログイン後、電子版会誌をご覧ください。

CASEに向けた自動車とカーエレクトロニクスの最新動向と実装・接合技術

CASE (Connected, Autonomous, Shared & Service, Electric)に向けた自動車と車載機器の動向、実装・接合技術について論じた。C, A, Sに向けてはロジック回路の高集積化への対応、Eに向けてはパワー回路・電気回路の高集積化への対応が必要となる。

電動車両向けインバータ制御モータの高効率駆動と高速回転技術

本稿では高速回転化が進む電動車両の永久磁石同期モータを対象に、インバータ制御の基礎、高効率を実現するインバータ制御、高速回転化のためやむなく行う弱め界磁制御、最大限の高速化を実現するワンパルス制御、など運転範囲を拡大する各種制御方式について解説する。

日米欧EV用インバータ技術の現在地とEV用次世代パワー半導体応用技術予測

本稿ではID.3 (VW)、IONIQ 5 (ヒョンデ)、マスタング Mach-E (フォード) and タイカン(ポルシェ)用インバーターを分解解析し、それぞれの特徴と設計意図を紹介する。さらにSiC/GaNパワー半導体の車載応用におけるインパクトについてシステム目線から議論を行う。

パワーエレクトロニクスに対応したはんだ材料の展開

自動車をはじめとする輸送機器では、燃費の向上やCO₂排出量削減の観点から電動化が進んでおり、車載パワーデバイスの更なる性能向上が求められている。 本項では、パワーデバイスの実装に適したはんだ材料や工法に加え、SiCやGaNなどの次世代半導体の実装を見据えた高信頼性はんだ合金や近年注目度の高いAg焼結技術を紹介する。

駆動系および制御系各種パワー半導体の冷却技術

自動車に対する要求は、環境面で電動化、安全面で運転支援や自動化を加速させている。その結果、電動車両駆動用インバータ搭載のパワーモジュール高出力化と、車載ECUが扱うデータ用の増大が起因し、いずれもパワーエレクトロ二クス部材の発熱量が増大する。本稿では、個々に進化を遂げたパワエレ冷却技術について解説する。

複雑化する電磁環境下におけるEMC

技術進化や新技術の普及に伴い、電子機器、情報機器、自動車や携帯電話などはより複雑な意図しない不要な電磁波を発生することがある。今後さらに厳しい電磁両立性への適合確認や無線通信品質の試験が必須となってくる。

AUTOSAR:自動車分野での標準ソフトウェアプラットフォーム

大規模化・複雑化が進む自動車ソフトウェア開発での業界横断的な再利用・自動化を支える「AUTOSAR」の規格内容・標準化活動について、現在広く使われているClassic Platformと、AD/ADASでの利用を想定し開発が進むAdaptive Platformを含め、概要を述べる。また、プラットホームとしての継続利用のための留意点(安全保障としての標準化活動参加など)も示す。

高速化・高信頼化が進む車載イーサネット技術と標準化

本解説は、次世代の車載ネットワークの基盤となるイーサネット技術に関して、その概要と、現在IEEE 802.1および802.3ワーキンググループで進められている国際標準化の動向を紹介するものである。

自動運転のための深層学習による画像認識技術

2010年以前の画像認識分野では、研究者が設計したハンドクラフト特徴と機械学習手法を組み合わせることで、さまざまな画像認識タスクを実現していた。 2010年以降は、深層学習を用いた画像認識手法が数多く提案され、深層学習が登場する前の手法より大幅な認識性能の向上を達成した。そこで本稿では、深層学習が画像認識にどのように適用されているかを説明するとともに、自動運転に向けた深層学習の最新動向について解説する。

コネクテッドカーはインターネット上から発見可能か?─広域スキャンによる車載機器探索とセキュリティ分析─

我々はインターネット上でアクセス可能な車載機器の探索手法を提案し、27カ国で12種類2532件の車載機器を発見した。そのうち11種類の機器については遠隔操作がなされるおそれがあり、9種類については内部の車載ネットワークに接続可能と推測され、 2種類については自動車の位置情報が閲覧可能であった。

<Hot Topics>振動音響特性に着目した防音材の簡易モデル化

振動騒音対策を効率的に進めるためには防音材の簡易な数値モデルが必要である。本稿では、振動実験に基づいて防音材の振動音響特性に与える影響評価し、吸音材と遮音材からなる防音材の簡易モデル化を検討した。

<Hot Topics>VRシステムの概要と製造業に向けた活用法

本稿では、これまでに蓄積したスキルやナレッジに加え、さまざまな業界の幅広い分野で重ねてきた事例をベースに、製造業で抱えてきた課題にソリューションをもたらすVRの活用方法を紹介する。

<Hot Topics>BEV 急速充電用次世代サーマルフルードの紹介

BEVのユーザからは充電時間の短縮が求められており、そのための技術開発が急務である。大電力による充電は発熱をともない、セルの温度を上昇させる。電池の劣化や熱暴走を避けるためには、適切な温度管理が必要である。ここでは次世代技術として期待されている浸漬型冷却システム用の炭化水素系サーマルフルードを紹介する。

<Hot Topics>海藻を利用した資源循環

エタノールの原料となるグルコースを高濃度に含む海藻:ジュズモが発見された。海藻を省力化して養殖するために安全で安価な発泡ガラス製浮遊担体を開発し、ジュズモが着生可能なことを実証した。浮遊担体の原料として、高温還元溶融炉によって金属等を高度に分離した焼却灰等を利用することができると考えられる。

<Hot Topics>東工大スマートモビリティ教育研究フィールドを活用した人材育成と研究開発

本項では、超スマート社会推進コンソーシアムの取組みの一環として、東京工業大学大岡山キャンパスに構築されたスマートモビリティ教育研究フィールドを紹介する。本フィールドは、2030年以降の超スマート社会を牽引する人材育成に活用されており、デジタルツインを用いた次世代ITSなど最先端の研究開発が行われている。

このページの先頭へ