電動車両をシステムとして考える/Development of Electrified Vehicles Based on System Analysis

様々なコンポーネントから構成される電動車両の短期的かつ効率的な開発において、車両全体をシステムとしてとらえ、それらを統合した視点でものづくりがなされています。
本特集では、モデルベース開発、DX、モデリング技術などのあらゆるツールを駆使して世界と戦う電動車両開発の最前線、さらにはそれらを支える「人づくり」の取組みについて紹介いたします。
是非ご覧ください。

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<技術の窓>SDV時代の自動車技術開発においてあえて大切にしたいこと

<Technical Review>自動運転・運転支援車の事故状況─事故低減に向けた現状と課題

<Technical Review>自動運転車の開発・実装のために乗り越えるべき法的課題

<電動車両をシステムとして考える>車両システム改善を目的としたMBDプロセスの提案と効率向上への取組み

本稿では、新しいモデルベース設計プロセスを紹介する。モデルベース車両設計プロセスでは、計算コストの削減と車両の定量的評価指標に対する効果的な設計変数の選択が課題となる。両課題に対して、正規直交分解によるデータ再構成と凸最適化による感度解析を提案し、これらの手法を用いた設計プロセスの例を示した。

<電動車両をシステムとして考える>三菱自動車の電動化への取組みとPHEVの魅力

三菱自動車では、カーボンニュートラルに向け、PHEVをコア技術とし、各地域に対応した電動化を推進する。PHEVは、日常はBEVとして、週末の長距離走行はHEVとして走行できる利点がある。さらに、四輪制御技術と融合することで、「環境にやさしく、どんな路面でも安全・安心で意のままの走り」を実現できる。

<電動車両をシステムとして考える>電動化がもたらす「熱マネアーキテクチャ」の新地平

最新のBEVでは、電池とeAxleと車室の温度を中央制御ユニットで管理する統合熱マネが増えている。中国自動車メーカーのBYDは冷媒を空調だけでなく、電池の冷却にも使用している。冷却効率が高い冷媒は急速充電に適するなとの利点を有するが、課題も多い。BYDとXiaomiの熱マネ回路を分析し、BEVの熱マネ開発の今後の方向性を考察する。

<電動車両をシステムとして考える>CセグメントSUV向け100%電動駆動ハイブリッドパワートレインの開発

C-seg SUV向けに新開発100%電動駆動(e-POWER)パワートレインを開発した。 Global要求に応えるため、高出力モータと新開発VC-TURBOエンジン(可変圧縮比技術)を搭載し、各ユニット動作の最適化を図った。 これにより、高い燃費性能と、クラストップレベルの動力性能と静粛性を実現した。

<電動車両をシステムとして考える>新型プリウス用2.0L PHEVシステムの開発

地球温暖化の対策として、マルチパスウェイの考えに基づき、プリウス向けにPHEVシステムを新開発した。大容量高出力の駆動用バッテリをモータ出力向上、PCUの昇圧システムで最大限活用し、環境性能に加えて優れた動力性能を実現した。各ユニットの小型化と駆動用バッテリの後席下搭載により、魅力的なデザインのPHEVを実現した。

<電動車両をシステムとして考える>e-Axleの開発と動向

本稿では車両要件に合わせた出力仕様や形状の検討に始まり、総合性能評価に至る一連のe-Axle開発内容について述べる。 モータ冷却方式、インバータ制御方式、筐体構造の見直しによる出力密度の改善プロセス、並びに今後の開発動向に関する推察も交えて紹介する。

<電動車両をシステムとして考える>リチウムイオン電池内部温度モデリング技術開発

電動車両に使用されるリチウムイオン電池は、その性能や劣化の温度依存性が大きい為、電池機能が発現する電池セル内部の温度挙動を推定する技術構築が求められている。本稿では、電池内部の発熱、伝熱特性を分析し、MBDに適用可能な高速高精度モデル開発した事例を、内部温度の実測値との予実差検証を含め紹介する。

<電動車両をシステムとして考える>CHT解析を活用した冷却水温予測と深層学習の活用

本稿では、過去の開発データを用いたデータドリブンアプローチで、エンジンの冷却水温予測に必須な熱境界条件の同定に「統計手法」と「深層学習」を使ったサロゲートモデルを構築し、従来手法より90%以上効率化したことを紹介する。また、そのモデルの新規設計適用時の課題と解決策も紹介する。

<電動車両をシステムとして考える>EV向け熱マネジメントシステム・モータおよびバッテリの油冷技術

モータやバッテリーは、使用中に発生する熱によって温度上昇し、走行性能の低下や熱暴走等のリスクが高まるため、各要素の冷却システム開発が盛んに行われている。近年採用数が増加傾向にある油冷式ユニットで重要な役割を果たす潤滑油の冷却性に関して評価法および潤滑油の物性と分子構造の関係性について述べる。

<電動車両をシステムとして考える>電池産業の拡大における人材育成とリスキリングおよび産総研での企業連携

電気自動車を中心に蓄電池の利用がますます拡大する。経済産業省の蓄電池産業戦略では、2030年に向けて大幅に拡大する蓄電池の製造能力を確保する上で、産業界のニーズに即した人材を育成・確保することが重要である。産総研関西センターでは、電池製造関連業界で活躍できる人材を創出・養成するためのプログラムを実施している。

<ホットトピックス>電動4WD車における前輪・後輪駆動用インバータ間の共振を考慮した平滑コンデンサ温度設計手法の確立

電動4WD車では、前輪・後輪駆動用インバータ間のバッテリ内部を含む配線インダクタンスと前後インバータの平滑コンデンサ静電容量による共振電流を考慮した平滑コンデンサの熱性能設計が必要となる。車両インピーダンス評価と共振電流評価に基づく温度計算手法を構築し、実機評価と高いコリレーションを得た為、報告する。

<ホットトピックス>車内音のサウンドデザインとその評価

“良い音とはなにか”から始め、サウンドデザインとその評価方法について概観した。特に印象評価の手法に重点を置き、具体例として車内音のうち警報音を取り上げ、不快感レベルを推定するための指標策定において神経生理学的手法が有望である点にも言及した。

<ホットトピックス>450kW走行中充電インフラを利用した回生電力の有効活用の検討

CO2排出量を大幅に削減するため、高速道路を走行する大型車を走行中充電可能な電動車両に置き換えることが解決策の一つである。大型車は急な下り坂を走行する際の回生電力が大きく、電池容量やSOCの状態などによっては十分な回生ができない場合がある。そこで、発生した余剰回生電力をERSに送電することによる効果を検討した。

<ホットトピックス>鋳鉄電気炉溶解のロス低減と効率化によるCO2排出量低減

アイシン高丘では、 2050年カーボンニュートラル(以下CN)のマイルストーンとして、2030年CO2排出量50%以上の削減に向け、電化などのエネルギー置換と省エネ活動をベースにグローバル拠点を含めた一体活動で推進している。今回は鋳鉄溶解工程のロス低減による省エネとエネルギー置換でのCO2削減に関する事例を紹介する。

<ホットトピックス>ガラスのように透明で曲げられるエアロゲル

エアロゲルは可視光透過性と高断熱性をもったユニークな素材である。この記事では、エアロゲルについての基本的な説明を行った後に、最近我々が開発したガラスのような透明性と高い曲げ柔軟性を併せもつ新規なエアロゲルについて紹介する。

<ホットトピックス>Bayesian Active Learningを用いたオフロード車両の乗り心地と路面入力荷重の両立性予測手法

オフロード車両における悪路走行時には、サスペンション特性の調整により乗員の乗り心地性能の向上が図られる。一方、乗り心地性能に寄与するサスペンション特性は、岩石等の乗り越えによる路面からの入力荷重荷重の大きさと背反する可能性がある。異なる複数の性能指標を両立させるためには、従来、試行錯誤的に設計変数の最適組合せを探索していた。本論文では、Bayesian Active Learningを用いて効率的に設計可能な領域を探索する手法を提案する。

<超の世界>たった数個の有機分子が情報を記憶・計算して血糖値変化を高精度予測
─分子振動を利用した小型AIデバイスの開発とその動作実証─

<スポットライト>仕様の数学的形式化
──ISO 34502の自動運転車危険シナリオを例に

<標準化活動レポート>運転運動性能シミュレーションに関する標準化活動

<学生フォーミュラの日々 そして今>EV 化、そして4輪インホイールモータまでの道のり

<みんなのモーターサイクル工学講座>ガソリンエンジンの基礎知識編

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