モビリティが実現する地域社会づくり
Developing a Mobility to Create a Future Community

新型コロナ禍により移動の価値を改めて考える一方で、交通渋滞や地元交通の撤退など、移動にまつわる様々な社会課題があり、MaaSと呼ばれる新しいモビリティサービス等にその課題解決が期待されています。本号は、モビリティサービスの実用化や交通流対策のための最新研究について、産学官の取り組みをまとめました。是非ご覧ください。

このページについて

  • 本ページでは、会誌特集記事の抄録をご覧になれます。
  • 実際の記事については、会員の方はお手元の会誌をご覧ください。

我が国における「スマートモビリティチャレンジ」の取組と経済産業省が考える今後のMaaSの方向性について

モビリティを巡る技術革新の恩恵を生かし、脱炭素社会の構築、地域移動課題の解決などが望まれる。経済産業省としてはスマートモビリティチャレンジとして、新たなモビリティサービスの社会実装の取組を推進してきた。今後は、地域・業種横断的な政策課題にも注目し、さらなるMaaSの定着・高度化に取り組んでいく。

日本版MaaSの実現に向けた国土交通省の取組について

国土交通省では、日本版MaaSの実現を目指し、各地域での実証実験や、MaaSの円滑な普及に向けた基盤づくりを支援し、地域が抱える課題の解決に取り組んでいる。本稿では、「日本版MaaSの推進・支援事業」の取り組み内容、また混雑を回避した移動などのwith/afterコロナにおける新たなニーズに対応したMaaS等について紹介する。

令和2年度スマートモビリティチャレンジの先進パイロット地域の取組みと横断分析の紹介

令和2年スマートモビリティチャレンジの先進パイロット地域について、スマートモビリティチャレンジ協議会の紹介、各実証地域の取り組みの概要と結果、また横断的な分析結果について説明する。

令和2年度スマートモビリティチャレンジの先進パイロット地域の社会受容性分析

令和2年スマートモビリティチャレンジの先進パイロット地域を対象に、新しいモビリティサービスに関して①顧客期待、②顧客満足、③ロイヤリティ、④推奨意向の4つの項目についてアンケートを実施し、社会受容性について横断的に分析した結果について示す。

NTTグループにおけるスマートシティの取組み

NTTグループでは、社会課題の解決をめざす地方自治体や多様な分野のサービス提供者の皆様とともに、様々なデータの集積・利活用や5G、AI、IoTといった技術の活用により、持続可能で、人々の豊かな暮らしを支えるまちづくりに取り組んでいる。その中から、モビリティ・交通分野の事例を中心に紹介する。

MaaS による地域課題解決を目指して─MONET Technologiesの取組み

昨今、日本では、少子高齢化や移動弱者(例:買い物困難者、医療アクセス困難者など)の増加による公共交通の衰退など、様々な社会課題が存在している。ソフトバンクとトヨタにより設立され、その後自動車メーカー7社を株主として加えたMONET Technologiesは、日本における社会課題を、MaaSの推進により解決しようと取り組んでいる。本稿では、MONETの会社ビジョン、MaaSの取り組み事例、さらにMaaSに関する法制度面での期待について述べる。

人間にはモビリティが必要なのか?

人間は高い学習・適応能力を発揮する脳を持つ。そのために、秩序立った、馴染みのある日常だけでは満足せずに、自己の成長あるいは気晴らしのために移動を求める。日常を離れて遊動すること自体が人間にとって不可欠なものであり、それが人間にとって真の移動ニーズである。

交通流の可聴化:音による交通状態の直感的表現

微細な変化検知への有効性が示されているデータ可聴化に着目し、高速道路における交通状態を音で表現することの可能性を検討した。進行方向動態の断面方向動態の2種類の可聴化手法を提案し、官能評価実験を行った結果、前者において可視化との比較で渋滞遷移直前の交通状態を高精度に判別可能であることを明らかとした。

速度回復を目的とした高速道路サグ部における路面標示対策

高速道路サグ部における速度回復を促す路面標示について、文字標示により直接指示する案と図形の配置間隔を変化させて減速感を高める案を作成し、ドライブシミュレータ実験によりその効果を検証した。その結果、文字標示の効果は高く、減速感を高める案は密から疎へのギャップを高くする必要があることが分かった。

ETCデータを用いたOD 交通量の時間変動パターン解析

本研究では、交通マネジメント施策の検討に不可欠な交通需要についての特性の理解を目的として、首都圏高速道路網全域を対象に、ETCデータからインター間OD交通量を取得し分析した。観測交通量から24時間周期の変動成分を抽出し、クラスタリングすることによってピークの発生回数や時間帯の異なる10つのパターンを見出した。

ETC2.0の自動運転への活用と拠点用路側機によるプローブデータの収集拡大

ETC2.0を用いた自動運転向け路車連携サービスの研究が進んでいる。また、物流拠点などに設置可能な路側機を用いることでラストワンマイルのETC2.0プローブデータを速やかに収集でき、プローブを用いた車両運行管理の適用範囲を拡大することが可能となった。これら最新の状況について解説する。

<HOT Topics>
リチウムイオン電池用導電性カーボンペースト

塗料の顔料分散技術を応用し、リチウムイオン電池の正極における導電カーボン分散ペーストを設計した。最良の分散剤と分散工法を設定し、操作性の良い低粘度の液状ペーストを得た。電池性能に対しても、導電カーボンを膜中で適切に連鎖させ、従来よりも低い内部抵抗値を達成した。

<HOT Topics>
モデル化技術を用いたセンサの高応答化

車両に搭載されるセンサはコスト等の制約により、必ずしも十分な応答速度を有しているとは限らない。そこで、まず圧力導管をモデル化しラミナエレメント通過流量の精度向上を図った。さらに、得られた流量をもとに熱線式エアフロメータ及び空燃比センサの伝達関数を求め,逆伝達補正を行うことでセンサの高応答化を図った。

<HOT Topics>
次世代モビリティにおける冷房性能・消費電力両立技術開発─東京五輪用e-Paletteにおけるコンデンサミスト冷却技術の開発─

EV航続距離拡大のため、消費電力低減が重要である。e-Paletteでは真夏のエアコン消費電力低減のため、更なるコンデンサ冷却が必要となる。エアコン結露水の回収と給水により水を確保できる特性を活かし、コンデンサ前方で水を噴霧し蒸発潜熱により冷却を促進するコンデンサミスト冷却システムを新規に開発したので紹介する。

<HOT Topics>
高速鉄道トンネルから放射される微気圧波の緩衝工による対策

高速鉄道の環境問題に、トンネル微気圧波がある。微気圧波対策の一つにトンネル坑口への緩衝工の設置があり、その効果は緩衝工断面積、および側面開口部に依存する。本稿では、微気圧波の現象および新幹線トンネルに設置されている緩衝工の仕様、および緩衝工の性能向上のために実施した模型実験について述べる。

<HOT Topics>
バーチャル人体モデルを用いた最新の安全研究

交通事故による傷害発生メカニズムを解明するためにバーチャル人体モデルが活用されている。トヨタは豊田中央研究所と共同でTHUMSを開発した。THUMSを用いて追突事故におけるむち打ち症を低減するシート等の安全技術を開発した。今後は、安全アセスメントのバーチャルテストや自動運転車の安全研究等で利用される予定である。

<HOT Topics>
3Dプリントの量産技術

3Dプリントを使った量産は海外では実績があるものの、製造課題とマネジメントの課題から日本では量産に至った事例はなかなか見当たらない。これらの課題を解決の鍵となる考え方について紹介する。

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