低炭素社会に向けた新材料・技術
New Materials & Technologies for Low-Carbon World

低炭素社会の実現を目指す取組みが、自動車関連だけでなく多様な分野で盛んに行われています。その進歩は、代替や長寿命化など、社会の取組みを通して環境負荷の低減に貢献しています、本号では、材料を中心とした低炭素社会に向けた多方面の取組み及びトレンドを紹介します。

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明るく豊かな社会に向かって
─2050年での電力,自動車部門のゼロカーボン化

多くの国で温暖化温度を2℃以下に早期にゼロカーボン社会に向かうことの重要性が理解されているが、具体的にどうするか、その経済性はどうなるかは明確ではない。日本のCO₂排出量の約70%が発電、自動車部門によって占められている。本論文ではこの2部門でゼロカーボン排出量を0にする方法、その経済性について定量的に明らかにする。

低炭素社会を目指した省エネルギー技術開発の取組み

パリ恊定での2℃目標への貢献、エネルギー基本計画で掲げる「徹底した省エネルギー社会の実現」等、政府が掲げる目標の達成に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業支術総介開発機構(NEDO)は技術開発の一翼を担っている。近年の技術開発支援の状況と「省エネルギー技術戦略」の重要技術改定について紹介する。

自己修復性高分子材料に関する研究開発動向

近年、高分子材料の自己修復を実現するためのさまざまなアプローチが開発されている。本稿では、それらのアプローチを体系的に分類し、弾性エネルギーを利用する物理的な手法、液状修復剤を利用する手法、高分子鎖そのものに修復性を付与する可逆的分子システムなど、多彩なアプローチによる研究開発動向を紹介する。

亀裂を完治することができる自己治癒セラミックスの開発現状とその展望

自己治癒機能をその発現要因である化学反応の基礎特性から分析した。分析結果から、自己治癒機能を有するセラミックスをメンテナンスフリー性が要求される部材、もしくは再使用が可能な部材として開発するために必要な技術要素を考察した。

自己修復性防食コーティングの開発

金属の防食コーティングに要求される特性の一つに自己修復性がある。自己修復性防食コーティングではコーティングが損傷し、金属素地が露出した場合、コーティング中の修復剤によって、損傷が自動的に修復される。本稿ではセルロースナノファイバーおよび複合修復剤を用いた開発例について概説する。

自己復元塗料の特性

近年、自動車分野で採用されている自己復元性能を持つクリヤーが、工業分野においても家電製品、携帯電話カバーなどに採用されるようになり、益々需要が高まっている。このため、工業内装分野向けに更に自己復元性に特化したクリヤーを開発したので紹介する。

セラミックス複合材料開発の状況と自動車への応用

代表的なセラミックス複合材料(CMC:SiC/SiC、Ox/Ox、C/SiCなど)の最近の研究開発状況と代表的な用途を説明した。特に、炭素繊維分散SiCマトリックス複合材料(C/SiC)の特徴と自動車用ブレーキへの応用例を説明した。

圧電セラミックスの材料技術とその応用展開

圧電セラミックスは、応力あるいは歪みを加えると電気を発生し、逆に電場を加えると歪みまたは応力を発生する材料であり、この機能を用いて、車載としてはノックセンサなど、さまざまな製品に適用されている。圧電セラミックスの材料技術と応用展開、及びさらなる対環境性能の向上として、無鉛化の取組みについて紹介する。

熱膨張の制御を可能にする負熱膨張材の開発

温度上昇に伴い縮む性質をもつ負熱膨張材と呼ばれる物質の開発を行っている。この物質を熱膨張を減らしたい材料に添加することで、その材料の熱膨張を効果的に抑制することが可能となる。ここでは開発品の一つであるタングステン酸ジルコニウム(ZrW₂O₈)についての紹介、負の熱膨張の起源及び実際に他の材料に添加した場合の実験結果を報告する。

粉末冶金法を用いた磁気部品の開発および工業化

これまで、粉末冶金は自動車の構造部品への適用を中心に発展してきた。当社は粉末冶金の新たな適用分野を拡大すべく、磁性材の開発及び工業化に力を入れてきた。近年、自動車の電装化にともない、磁性材の適用事例が増加する傾向にある。本解説では磁気部品の開発変遷についてご紹介する。

レーザロール溶接による軽金属と鉄鋼との異種金属接合

近年、輸送機器の軽量化等を目的とする「ハイブリッド構造部材」の適用が検討されており、軽金属と鉄鋼とを接合する技術が必要となっている。本稿では難接合異種金属継手であるアルミニウム合金と低炭素鋼、およびマグネシウム合金と低炭素鋼との組合せに、沓名らが開発したレーザロール溶接法を適用した結果を解説する。

構造接着技術に関する最近の動向

近年の接着剤の高性能化に伴い、接着接合の工業製品への適用が住んでいる。特に自動車や航空機など、従来は安全性の観点で適用できなかったような箇所にまでその利用が進んでいる。本稿では最近の接着剤の進歩やその動向、並びにその適用範囲の拡大につい解説する。特に自動車構造を対象に取り上げ、接着接合の重要性やアドバンテージについて解説するとともに、技術的な課題についても言及し、これを解決するための具体的な方策についても議論する。

自動車における構造接着技術の動向と課題

CO₂排出量を低減するひとつの手段として車体の軽量化は必須であり、構造接着はその鍵となる技術である。最大の課題は機能保証であり、そのためには生産品質と、市場での機能・性能の確保が必要である。本報では、構造接着技術の動向と課題に加え、多機能化、および経年劣化の抑制に関する我々の取り組み事例を紹介する。

粘着テープの基礎と自動車分野への展開

粘着テープは、生活の様々なシーンで目的にあった価値を提供している。しかし、よく目にする粘着テープは数あるうちのほんの一部で、一般的には目に付くことのない縁の下の力持ちとして活躍する粘着テープが多い。これら粘着テープについて自動車関連の粘着製品を中心に説明する。

セルロースナノファイバの現状と今後

大気中のCO₂の固定化物である植物バイオマス由来のセルロースナノファイバー(CNF)は、再生産可能な新規バイオ系ナノファイバーとして注目されている。約 3 nm幅で、高アスペクト比、高結晶性のCNFの特性を活かして高分子基材と複合化することにより、高強度、高靱性の複合材料への変換が期待されている。

環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトの紹介

環境省は、植物由来のカーボンニュートラルな新素材、セルロースナノファイバーの社会実装に向け、京都大学を代表事業者として自動車の軽量化を目指したプロジェクト(NCVプロジェクト)を進めている。東京モーターショー2019への出展にあたり、本PJの背景や意義とこれまでの成果、今後の課題と展望について紹介する。

デジタルを融合したバイオ技術
─バイオ由来自動車材料を例として

持続可能な形での資源活用により環境的、経済的、社会的側面を統合的に向上させることがこれからの重要な課題である。近年膨大に蓄積し始めているバイオ関連ビックデータとバイオテクノロジーの融合によるバイオテクノロジーを用いたマテリアル生産について、自動車材料への展開例を示しながらまとめた。

バイオマスの現状とCO₂を有効利用するための研究

でんぷんなどの食料資源を利用したバイオ燃料生産が実施されている(バイオリファイナリー研究という)。しかしながら、食料競合問題から、近年では農業廃棄物を新しいバイオマス資源として利用する技術の開発が進められている。本稿では、バイオリファイナリー研究ついて最新知見を紹介し、今後、バイオマスの利用を推し進めるために必要となる「バイオコンビナート」構想について解説する。

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