プラットフォーム戦略
Platform Strategies at Each Company

クルマの骨格となるプラットフォームは、その開発規模とともに企業の業績に与える影響が大きく、各社とも重要な戦略の一つになっています。 本号では現在におけるプラットフォーム戦略の潮流と、各カーメーカ及び鉄道車両メーカの取り組みを紹介します。

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車両プラットフォームと戦略的柔軟性

本稿は、戦略的観点から車両プラットフォームの価値について考察するものである。プラットフォームは一種のリアルオプションとして捉えられる。オプション構造をプラットフォームの設計ルール(固定要素と可変要素の定義)に織り込むことで、将来の不確実性に対する技術的および経営的な対応力を持たせることができる。

欧米自動車メーカの車体/プラットフォーム開発
─持続可能性とデジタル化が次の焦点に─

コロナ後の欧州ではグリーンディールの重要性が高まり、持続可能性が焦点となる。自動車メーカーはマルチマテリアルによる軽量化だけでなく、生産時のCO₂排出も考慮しなければならない。プラットフォーム戦略の中心はパワートレインからソフトウェアになった。デジタル化が持続可能性目標を達成するための鍵になりつつある。

日産自動車CMF─多様化するプラットフォーム

日産自動車では、車両の造形スタイリング部を除いた4つのハードウェア構造領域と電気電子 アーキテクチャを加えた5つの要素(4+1 Big Module)を準備し、これらを適切に組み合わせることによりプラットフォームを構築する。本稿では直近の日産CMF戦略と今後の課題について具体的な事例と供に説明する。

DNGA新プラットフォームの開発

新しいDNGA(Daihatsu New Global Architecture)プラットフォームは、軽自動車から国内・新興国の小型自動車までのコンパクトカー領域をカバーする。本プラットフォームでコンパクトカーセグメントのシリーズを一括企画・開発する事にチャレンジした。新開発のサスペンション、アンダーボデーの取り組みにより、高い運動性能と、軽量高剛性な車体プラットフォームを実現した。

軽量かつ高効率生産を目指した次世代小型スクータのプラットフォーム開発

小型スクーターのプラットフォームとして、軽量・コンパクトで汎用性が高くかつ高効率生産が可能なフレームボディ eSAF (enhanced Smart Architecture Frame) を開発した。フレームボディを中心に、開発した生産技術と完成車パッケージングおよび構造について、そのコンセプトと技術を紹介する。

ボデー部品の開発における設計基準チェックの自動化

車体構造の最適化では多くの車種/車格で性能評価を行うが、手戻りを防ぐため生産性などの要件を織り込む必要がある。ただ、数百あるボディー部品間の隙要件確認には膨大な時間を要す。そこで、マツダの基幹CADであるNXとエリジオン社製DFM Studioとを連携させて隙要件測定の自動化を実現した。その取り組みについて述べる。

将来モビリティを想定した車体モジュール設計の研究

将来モビリティの多様化に柔軟に対応する2つの車体モジュール設計手法を紹介した。まず、複数のパイプを束ねた標準化部材をモジュール構成とする新しいモビリティ構造と設計手法を示した。次に、部品の接合関係と機械的特性を付与した設計構造マトリクスDSMを構築し、数理的にモジュール候補を抽出する手法を紹介した。

鉄道車両製造についての共通プラットフォーム戦略

鉄道車両製造では、これまで少量多種、注文生産という環境でなかなか共通プラットフォーム化が進まなかった。総合車両製作所では、製品競争力を付ける目的で共通プラットフォーム化に挑戦し、顧客のニーズに対応しながらコストをある程度削減し、また信頼性向上や保守費低減にも寄与できることで市場にも受け入れられつつある。

個別大量生産に対応可能な標準型車両コンセプトefACE

当社の標準型通勤車両「efACE(イーフェイス)」は、 「標準」の思想でありながら、鉄道事業者ごとのハード上の制約条件および要望に対応可能な「柔軟性」を併せもつことを特長としている。本稿では「efACE」のコンセプトを述べるとともに、アルミ構体を中心に概要と要素技術を紹介する。

<HOT Topics>
被削性に優れた60HRC級プリハードン・ダイス鋼

従来のプリハードン・ダイス鋼は、硬さがSKD11クラスの硬さよりも低くなっていたが、 60HRC級プリハードン・ダイス鋼はSKD11と同レベルの硬さとなっており、実用性も高くなっている。

<HOT Topics>
高強度焼結部品用ニッケルフリー合金鋼粉の開発

JFEスチールは近年、焼結機械部品用としてメッシュベルト炉焼結でも引張強さ800MPa級のニッケルフリー合金鋼粉「FM800」を開発した。FM800は今までにないFe-3%Cu-1.3%Moプレアロイ粉を使用しており、メッシュベルト炉焼結でも引張強さが800MPa級となる。また、合金元素のプレアロイ添加は粉末の圧縮性を低下させてしまうが、製造プロセスを制御することにより高い圧縮性を実現することに成功している。FM 800の利点は、自動車部品や建設機械部品の製造に活用されることが期待される。

<HOT Topics>
自動車に不可欠なレアアース資源の現状と課題

自動車の高性能化にともない、自動車産業が必要とするレアメタルの量は、今後大幅に増大する。レアメタルの一つであるレアアース(希土類元素)は、高性能モータに使われる永久磁石の材料などに利用されており、電気で駆動する高性能自動車には不可欠な元素となっている。一方で、レアアースの天然資源の採掘や製錬に伴って環境破壊も進んでいる。本稿では、レアアースなどのレアメタルの生産にともなう「影の部分」、すなわち廃棄物の問題や環境問題について概説し、リサイクルの推進の重要性について論じる。

<HOT Topics>
塗装乾燥炉工程におけるデジタル開発の取組み

自動車の塗装工程では乾燥炉において防錆塗料や塗料上塗り塗料だけでなく、ウエルドボンドや発泡充填剤なども熱硬化させている。高温環境である炉内で取得できるデータは限られるため、現象の把握は難しい。そのため不具合発生時には、原因究明および対策に多くの工数を要している。これらの現象把握と開発時での予防策折込みのため、温度及び熱変形予測技術を開発する。

<HOT Topics>
ミクロン単位の油膜厚さと油膜速度の同時計測

透明シリンダを持つテストエンジン内での薄い油膜の特性を評価した。油膜の厚さと速度をLIF法およびLIF画像を用いたPIVで計測した。この手法をLIF/PIV法とした。実験は異なる形状のピストンを用いて行った。ピストン形状による油膜厚さと速度を評価し、厚さと速度はピストン形状とピストンの姿勢に依存することを示した。

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