空気は友達!大気を使いこなそう!
The air is our friend ! Let’s utilize the atmosphere !

空気はクルマにとって、走行の際の抵抗や不安定要因、音源の発生原因だけではなく、内燃機関の効率改善、耐久性や性能を向上させるための熱移動体、車室内の環境制御による快適性向上など,様々な要素で深く関わります。 なかなか本心を明かさない気まぐれな空気とうまく付き合うための様々な技術を自動車以外の観点も含めて幅広く紹介します。

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[座談会]車を進化させる空力技術!
技術者が語るツンデレな空気との付き合い方

風切音のような音の発生源、居室内の空調制御、エンジンやトランスミッション、モータや電池などの熱源の温度制御、エンジンなどの内燃機関の熱効率を向上するガス流動制御などの空気の流れを意のままに制御することで、より車の進化が期待できる。
その空気の流れを使いこなしたい気持ちとは裏腹に、機嫌を損ね、何か気に入らないことがあると途端にいうことを聞いてくれなくなり、なだめるのに苦労する。一転、気に入ってくれれば、意のままにいうことを聞いてくれる、ツンデレな気難しさもある『空気』。
座談会では空力技術者を参集し、ツンデレな友達に挑む「車を進化させる空力技術!技術者が語るツンデレな空気との付き合い方」をテーマに議論いただいた。

実験流体力学─流れを観る・測る・感じる

自動車の様々な要素は流れ現象と深く関わり、流れ現象は技術開発の重要な課題である。流れ現象を理解し解明するために重要な役割を担っている実験流体力学について、現象解明の重要性、流れを「知る・観る・測る」ための心構え、既存実験技術の問題点、数値流体力学との関連性、今後の課題と好ましい実験環境を述べている。

自転車競技の集団走行に対する大規模空力解析

自転車競技の集団走行における各選手の受ける空気抵抗をLESにより解析した。単体走行および2~4人程度の集団走行では風洞実験と数値解析の結果が良く一致することを確認し、縦列走行やひし形配置で走行する単独チームや競合する2チームの集団走行、最大72人の集団走行に対する22.3億格子を用いた空力解析をGPUスパコンで行った。

二輪車乗員の頭振られを引き起こす非定常流れの解析

高速で長距離走行する大型二輪車は、風防後方の風流れにより乗員の頭が左右へ振られる現象が発生し、快適性の低下を招く場合がある。本研究では非定常解析を用いて乗員頭部周辺の流れを解析し、頭部に作用する横力変動量と官能評価との相関関係を明らかにした。また、本技術を新機種開発に活用した事例を紹介する。

デザインと空気抵抗低減の両立に向けた新しい渦同定手法

自動車のデザインと空気抵抗低減を両立するために、渦構造に着目した研究が行われている。より詳細な渦構造を解明するためには、複雑な流れ場から渦を同定する新しい手法が必要である。本稿では、自動車周りの渦構造に関する研究、従来の渦同定手法、新しく開発した渦同定手法およびその適用事例を述べる。

薄膜温度計測素子を用いた小型三次元風向風速センサ

エンジンコンパートメント内や車室内の空気流れを計測するために小型三次元風向風速センサを開発した。樹脂でできた直径9.5mmの球体の中心にヒータ、表面に16個の薄膜温度計測素子を設けたもので、表面の温度分布から風向と風速を計測できる。風洞を用いた評価で作動を確認した。

横風時の自動車まわりで発生する風切り音の数値解析

バサバサ音の原因を調べるため、自動車が横風を受けた場合に発生する空力騒音を計算した。その結果、Aピラー下部とドアミラーから発生する音が増大する様子が見られた。さらに、伝播経路を可視化し、乗員に影響の大きいサイドウィンドウに到達する音は、Aピラーよりもドアミラーからの音が主要であることを示した。

強風下を走行する鉄道車両に作用する空気力の評価

強風時の列車の安全な運行のためには、車両に作用する空気力を精度良く評価することが重要である。本稿では、これまで実施した風洞試験や数値シミュレーションの概要を述べる。また、最近の取り組みとして、走行模型装置を用いた空気力の評価と、空間的に変動する風速を考慮した際の転覆限界風速の評価結果を紹介する。

ガス流動制御を用いたガソリンエンジンの熱効率向上

水平対向直噴エンジンにおける燃焼開発について報告する。可視化計測や単気筒エンジンを活用して、更なるガス流動改善を行い、ストイキ高EGR環境下での燃焼耐力向上とそれに伴う燃費向上を実現した。その考え方や具体的方法を紹介する。

ホンダジェット搭載HF120ターボファンエンジンの
空力技術

ホンダジェット搭載のGE Hondaエアロエンジンズ製HF120ターボファンエンジンは、GEとHondaで共同開発され、ファンと遠心圧縮機の空力設計はHondaが主に担当している。本稿では、HF120の先代機種であるHonda単独開発のHF118をさらに高推重比かつ低燃費とするために、Hondaで開発した高比流量かつ高効率の空力技術を紹介する。

車室内空調における防曇性能・快適性・省エネを考慮した空調条件の検討

カーエアコンのエネルギーを削減しようという試みは、フロントガラスの曇り除去・防止や乗員快適性を考慮しながら取り組む必要がある。そこで、車室内環境の数値解析を行うことで、吹出条件(風量・温度)が曇り防止および快適性にどのような影響を及ぼすかを検討し、そのうえで消費エネルギーが少ない条件を同定した。

電池冷却システムの熱設計における
最適化シミュレーションの活用

EV、PHEVの重要部品である駆動用電池は、電池性能を維持するため、冷却システムによって適切な温度で管理される。空冷の場合、電池の最高温度、かつ温度バラツキを最小化することが極めて重要である。そこで、最適化シミュレーションを用い、冷却風ダクト形状に着目した電池冷却性能最適化を検討したので紹介する。

進化を続ける車載用フェノール樹脂コンポジット材料

近年、自動車は大きな変革の時を迎えている。様々な部品が進化している中で、プラスチックの用途も多様化してきた。金属代替に実績のあるフェノール樹脂コンポジット材料ではあるが、新たな部品への適用の可能性について紹介する。

人口減少時代における交通政策
─公共交通がもつ移動を「束ねる」特性と潜在需要の顕在化の役割─

人口減少時代の到来と人々の外出行動の変化により、総交通量も減少する状況が明らかになってきた。こうした時代においては、交通政策も人々の移動を促す仕組みづくりが重要なものとなる。そこで、人々の移動を「束ね」、潜在化した需要を顕在化することができる公共交通に期待される役割を明らかにする。

シミュレーションとAI を活用したショックアブソーバの
乗り心地評価予測

高い乗り心地性能の実現は、ショックアブソーバ開発の技術課題の一つである。しかし、実際の性能開発では、主観評価に基づく試行錯誤が繰り返されている。そこで、定量的なショックアブソーバ開発を目的に、シミュレーションとAIを活用した乗り心地性能評価技術を開発した。本稿では、開発した予測技術について紹介する。

暑熱対策のための「移動できる森」の開発

夏季屋外での暑熱リスク対策技術として、木陰とミストシステムを備えた可搬式のベンチを開発した。木陰にミストがあるエリアで、気温や黒球温度、黒球湿球温度(WBGT)を測定した。その結果、このエリアでは熱中症リスクの指標である黒球湿球温度も低減できることがわかった。

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