カーボンニュートラルに貢献する内燃機関
ICE contributes to carbon neutrality

カーボンニュートラル(CN)は昔からあったものの、世界を席巻したのはつい最近のことのように感じます。環境対策によりICE車はEV車に移り代わっていくような流れに対して、2020年6月号で組んだ特集は「がんばれ!内燃機関~最新技術と10年後の姿~」で応援したものの、10年後を考えるのが精いっぱいでした。しかし、その後の社会情勢の変化や各分野の技術進歩の動向を見据え、徐々に内燃機関の存在感が高まってきています。CNの進展の中で、内燃機関の役割や可能性をまとめた特集号です。本号によって2030年以降、2050年でも内燃機関の可能性は、重要なポジションにあることを感じていただければ幸いです。是非ご覧ください。

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カーボンニュートラルに向けた自動車関連技術に関する将来展望*─エンジン車から電動車への移行─

カーボンニュートラル実現に向け、エンジン車(ICEV)からバッテリー電気自動車(BEV)を中心とする電動化やそれに使われる再生可能なエネルギーの利用が推進されている。本稿では、これらの状況を踏まえて中長期的な課題とその解決の方向性について展望する。

カーボンニュートラル液体合成燃料の内燃機関への利用に向けた取組み*─各種液体合成燃料の燃料性状の調査─

近年、カーボンニュートラル合成燃料に注目が集まっている。CO₂及び再エネ水素からの合成が研究されている液体合成燃料と同等の性状の燃料やバイオマス由来の液体燃料等を国内外から調達し、性状分析を行った。また、既存燃料と混合した際の性状分析を行い、自動車燃料として利用する際の留意点について検討した。

燃料および水素キャリアとしてのアンモニア利用技術

アンモニアはCO₂フリー製造技術、輸送、貯蔵および取扱技術が確立しており、早期に社会実装可能な脱炭素エネルギーおよび水素キャリアとして期待されている。特に、プロセスCO₂を除去したブルーアンモニアは、コスト面で実用性が高い。本稿では、ブルーアンモニア利用の複合発電システムを例示し、燃焼用アンモニア水素混合燃料および燃料電池用純水素製造について述べた。

自動車用バイオ燃料技術の最前線

再生可能資源に由来し、従来からカーボンニュートラル燃料を代表してきたバイオ燃料は、石油枯渇問題や温暖化防止など、事あるごとに脚光を浴びてはきた。本解説では、第一世代のバイオ燃料に加えて次世代バイオ燃料におけるエンジンの適用性、燃料規格、燃料製造技術に関する現状と今後の展開について記述する。

水素エンジンの実用化に関する研究

重量車の二酸化炭素排出量削減策として水素エンジンが注目されている。本稿では、これまでに開発された重量車用水素エンジンおよび現在開発中の水素エンジンについて紹介する。さらに今後の課題について述べる。

CO₂ニュートラルな輸送を実現する水素内燃機関

日本を含めた世界の多くの国々で、2050年までにCO₂ニュートラルの達成を目指している。水素ICEは、CO₂フリーで走行できる可能性があり、製造インフラへの投資を抑制し、早期に大量に市場に導入することで、迅速なCO₂削減を可能にする。従って、水素ICEは、少なくともCO₂ニュートラルな輸送を促進するための橋渡し的な技術となる。

火花点火機関におけるアンモニア使用の展望

内燃機関でアンモニアを使用することで、エネルギーシステムのCO₂排出量の削減できる可能性がある。しかし、アンモニアの燃焼速度が遅いため、火花点火機関の安定運転が困難となる。本解説記事では、アンモニアを用いた火花点火機関の安定運転に関する対策として、1)デュアルフューエル運転、2)圧縮比の増加の2つの方法を紹介した。

熱効率のさらなる改善に向けたエンジン熱損失の低減

エンジンの今後の熱効率向上の鍵は、壁面冷却損失の低減技術である。特に拡散燃焼主体のディーゼルエンジンでは、熱効率向上のため更なる圧縮比増加が予想され、噴霧火炎の壁面衝突や不均一な壁面温度分布が冷却損失低減を考える上で課題となる。本報では、新エィシーイーで近年研究した熱損失低減技術の幾つかを紹介する。

CO₂ニュートラルハイブリッドパワートレイン向けの高効率エンジンの実現に向けて

IAVは将来のハイブリッドのCO₂排出ネットゼロ達成を見据えた高効率エンジンを開発しました。このエンジンは新しい冷却手法により、エンジンの冷却自由度を増やし、カムやクランクの軸受変更、高EGR導入、暖機挙動の最適化にてフリクションを最小化した結果、エンジンマップ広範囲で正味熱効率が42%以上、最高44.2%を達成しました。

舶用エンジンの変遷と今後について

“ニイガタ”は1919年に日本初の舶用ディーゼルエンジンの自社開発に成功して以来、時代のニーズに応える製品、技術を社会に提供し続けてきた。本紙では100年余のニイガタディーゼルの歴史を振り返り、エンジンの出力、効率向上等の変遷を紹介する。また、新たな課題である地球温暖化対策の取組みについて紹介する。

<Hot Topics>EV/HEV要素部品における振動解析・可視化技術

本稿では、モータ、PCU、ECU、バッテリーなどEV/HEVの主要な電動部品における最新の振動解析・可視化技術に関して述べる。モータ振動は、モータ試験システムと3軸振動加速度センサを用いて計測した。また、空隙磁束は径方向および周方向磁束を検出する探りコイルで構成されたフィルム状の磁気センサを用いて計測した。その結果、周方向磁束の5次、7次高調波成分の減少が振動加速度の6次成分を低下させ、振動抑制に効果があることを示した。

<Hot Topics>VR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」による設計プロセスの仮想化

製造分野において、設計過程を仮想的に行う試みが加速している。本稿では設計過程を仮想化するメリットに触れつつ、それを行うソフトウェアとして、VR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」を紹介する。そして、本ソフトウェアの持つ機能がどのように仮想的な設計支援を行えるかについて述べる。

<Hot Topics>直射日光下で周辺気温より低温となる受動的放射冷却素材の原理とその応用

直射日光の下で周囲より低温となる放射冷却素材について解説する。本素材の原理、設計、作製、評価について解説するとともに、放射冷却素材を様々な用途に適用した際の効果を実証試験の結果を交え解説する。最後に、この素材の将来展望について議論する。

<Hot Topics>風力発電のリスク評価について

現在、再生可能エネルギーが注目されている。その中でも、風力発電は有力な候補の一つである。風力発電が発電インフラとして普及するためには、安定した運転や電力供給が必須と考え、未然防止の観点からリスク評価について検討を行ってきた。本論文では、その例について紹介する。

<Hot Topics>路面描画ランプの開発と法制化動向

自動車照明は安全な運転環境の提供を目指し進化してきた。 近年、光を使ってドライバや周囲の交通参加者に情報や注意情報を伝える路面描画ランプが検討され、法制化が進んでいる。 本稿では、路面描画ランプについて法制化の状況と最新の研究動向について述べる。

<Hot Topics>エシカル・エンジニア-未来へのコンピテンシー-

本報告はエシカル・エンジニア開発委員会の育成活動の目的について、技術者倫理教育の歴史的経緯を含めて解説する。技術者倫理教育は規範的な予防倫理からWell-beingの実現に着目した創造的な志向倫理へと進みつつある。しかし自動運転など知能化技術における社会受容性の課題は自己完結的な発想では解決できず、エンジニアに社会との対話能力を求めている。当委員会では社会受容性のある技術を創るエンジニアの最重要コンピテンシーを社会との対話能力とし、その育成を目標とするエシカル・エンジニア開発プログラムを本年度開講の予定である。

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