<技術の窓>中堅技術者・研究者に贈る,B面研究テーマ立ち上げのススメ
物流2024年問題を受けた現状と自動化への期待
2024年問題として注目された中で2025年となった今、物流の現状、また現状の商習慣が維持された場合に見込まれる将来像がどのようかについて定量的に分析している。さらに現状の物流網を維持するために、取り組まれるべき自動化の内容や取り組むために越えるべき障壁を、解決策とともに考察している。
物流2024年問題に関わる法規制動向
物流の「2024年問題」に対応するため、政府は2023年6月に「物流革新政策パッケージ」を策定し、2024年5月に荷主・物流事業者に対する規制的措置を義務化する物流改正法が公布され、2025年4月からその一部が施行される。本稿では物流の「2024年問題」の背景と政府の取組、特に物流改正法を概説する。
高速道幹線輸送自動運転大型トラックの取組み
いすゞ自動車は、自動運転の実現に向け事業及び技術パートナーと連携し、物流/人流の様々なユースケースにおける安全性の向上と、輸送の効率化に向けた効果検証と普及策に取り組んでいる。本稿では、自動運転に求められる技術と現在いすゞ自動車が参画しているRoAD to the L4テーマ3の状況について紹介する。
自動運転バスの現状と今後
2024年問題などの影響で物流や旅客輸送に関わる運転手の確保は社会課題となっている。解決策の一つとして自動運転技術があげられ、我が国では、自動運転車の普及促進施策が数多く実施されている。我々は社会への先行普及が期待される商用車の自動運転技術の開発に取組んでおり、ナゴヤメッセでの実験を例に説明する。
ロボットを公道で走行させるエッセンス
─ラストワンマイル配送を担うために─
自動運転配送ロボット「DeliRo(デリロ)」は法的に公道走行が認められている。公道では街の人から「カワイイ目のロボットですね!」と声をかけられることも多い。実は、このかわいらしい目はカワイイだけではない。はたしてどんな効果があるのだろうか。
物流ラストワンマイルにおけるドローン輸送
:現状と将来展望
人手不足により、ラストワンマイル配送の効率化が課題となる中、低コストで高性能な配送を実現する可能性のあるドローンに期待が高まる。特に緊急医療配送などの高付加価値分野において普及が期待される。あいちモビリティイノベーションプロジェクトは、複数地点への配送や物流との同時実行を実証し、社会実装に向けた課題を明らかにした。
量子コンピュータによるトラック輸送ルートの最適化
2024年問題によるトラックドライバ不足で懸念される製造業の輸送遅延やコスト増加に対し、量子コンピュータを活用した輸送ルート最適化を検討した。古典機械学習で19拠点の輸送効率を16%向上させた。さらに、量子機械学習により3拠点での実機計算を成功させ、量子コンピュータの大規模最適化への可能性を示した。
輸送会社が取組むモーダルシフトへの挑戦
昨今、物流2024年問題と乗務員不足が注目されている。二つの課題を解決するため、アルミニウム缶輸送のモーダルシフトに挑んだ輸送会社の取り組みを紹介する。その貨物特有の難しさに対し、荷主と船会社を巻き込みながらアプローチをした内容を伝える。
物流の社会課題解決の鍵「物流情報プラットフォーム」構築を目指して
物流を支えるインフラが、今大きく揺れ動いている。ドライバー不足や物流クライシスなど深刻化する課題にどう立ち向かうのか。本稿では、物流スタートアップHacobuが挑む「物流情報プラットフォーム」構築の鍵と最新の取り組み事例を解説する。
物流施設における自動化に係る展望
典型的労働集約型産業の物流業界は、しばらくの間自動化の思想が乏しく、属人化された業界であった。労働力人口の減少と相まって、物流業界でも自動化が非常に注目されるようになった。本稿では、物流、特に物流センターで注目されている技術・製品に着目し、今後の物流の技術革新の方向性を考察する。
<ホットトピックス>台上試験装置を用いた車両性能評価時における実路走行風の再現とその影響把握
電動車の電費、航続距離の改善に向け、車両全体およびパワートレイン全体における熱マネジメントの重要性が増している。例えば、電気自動車の航続距離改善技術として、冷却水が流れる経路の切り替えバルブ(オクトバルブ等)が条件に応じて切り替わり、室内空調、駆動用電池およびパワートレイン等を一括で冷却および加温する技術が挙げられる。これらを含めた車両の多くに対し、燃費、電費等の評価でシャシダイナモメータ(CHDY:Chassis Dynamometer)が使われており、CHDYにおいて車両に吹かせる走行風の精度を向上させることが全体の精度を高める上で必要と考える。そこで、乗用車の燃費、排出ガス試験に用いる「CHDY」や、重量車の試験に用いる「エンジンベンチ」における走行風の精度向上の課題に着目した。今回、走行風に関して現行試験法を整理し、今後求められる高精度評価に向けた改善策を検討した。
<ホットトピックス>潜在的危険場面における注意喚起提示法の評価
潜在的危険場面において、ヘッドアップディスプレイによる注意喚起提示の提示強度の違いが、運転者や運転に与える効果について検討した。16名の実験参加者に対し、シミュレータ環境で官能評価実験を実施した結果、官能評価や車両制御結果で、提示強度の異なる提示間に有意な差が確認され、提示強度の効果を評価した。
<ホットトピックス>太陽光と海水からグリーン水素を発生する非貴金属系の光触媒を開発
太陽光で水素を作ることを目的に、本研究では酸化チタン系光触媒に対して、湿式の微細ビーズミル粉砕法を用いて、高比表面積を保持した状態でTi3+の安定的な導入やNi(OH)2複合を行うことで、太陽光応答性や水素生成能を向上させた。海水分解時に微量のエタノールを添加することで、海水中の塩素イオンとの反応を促進させた。
<ホットトピックス>透明樹脂成形における不良発生原因の究明
透明樹脂の成形では他の不透明な樹脂成形に比べ成形品内部まで見ることができることから表面に出ない成形品内部に発生する不良が問題となり、不良品となってしまう。この透明樹脂成形で不良を出しにくい射出成形機の開発は生産性の向上に重要である。本報では透明樹脂成形の一つであるPMMAの成形における不良の発生原因の究明を目的とし、成形不良が発生する条件と、その時にバレル内でどのような現象が起こっているのかを調査した成果を報告する。また、本研究は東京大学生産技術研究所の未来志向射出成形技術社会連携研究部門での取り組みの中で行われたものである。
<ホットトピックス>ユビキタス元素によるチタン材の高強度化合金設計とスポンジ廃材の再資源化への適用
航空・宇宙産業を担うチタンは、重要な戦略物資である。製錬工程で発生するスポンジ廃材中の鉄や酸素などの不純物成分は、チタンの延性低下を招く。これらを固溶強化元素として活用すべく、水素を用いて塊状廃材の高効率な粉砕加工法と、固相焼結と圧延加工による粉砕廃材からの廉価な高強度チタンの再生法について述べる。
<ホットトピックス>CAEシミュレーションを利用した水素エンジンの設計により,予測結果と実際の結果の相関を改善
水素は内燃機関の脱炭素燃料である。この原稿では、水素エンジンの性能を正確にシミュレートするためのCAEソフトウェアに不可欠な3つの分野についてまとめている。熱境界条件の計算において3D CFDを補完する新しいFEベースのツールを水素に拡張し、改造Euro VI HDエンジンで検証した。これに加えて、同じ水素直接噴射エンジンの3D CFD研究では、λ=2.5からλ=3.5までの燃料供給条件における熱拡散火炎速度効果をシミュレートしている。最後に、オイル消費は水素のエミッションとプリイグニッションの重大な原因であるため、オイル消費を低減するためにエンジン全体のピストンとリングの動きをモデル化する方法を検討し、これらの結果を改善するために他のシミュレーションの熱的結果をリンクさせる。*内容は、SAE 2023-01-1603、SAE 2023-01-1675、0597、SAE 2023-01-0197の4つの既刊論文に基づいています。
<スポットライト>次世代モビリティ向けの組立式汎用フレーム「M-BASE」
─組立式の車体フレームで製造プロセスを簡素化─
<標準化活動レポート>THOR 50M胸リブ単体試験方法の開発と標準化に向けた提案
<匠の技>設備のメンテナンスと修理技能の伝承 堀口憲二氏
<学自研活動レポート>2024年度関東支部学自研活動の紹介
<学自研活動レポート>2024年度中部支部学自研活動の紹介