新時代のモノづくり計測と車内外状態計測
Next Measurements for Manufacturing and Live Status of In/Outside Cars
自動車と共に歩み発展している計測技術を特集しました。自動車業界を取り巻く環境の大きな変化とともに、計測技術は大きく進化しています。計測する対象は、小さな部品や大きな車体、気体や液体、音や振動、電気信号や電波などから、生体、そして街まで拡大し、さらに高応答、高精度を求められています。
このページについて
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自動車評価法の最新動向
自動車の進化伴い、評価法もそれに適応して変化している。本稿では、自動運転・ADAS、環境・エネルギ、衝突安全の自動車の各分野として、評価法の動向とその具体例を紹介した。
データ駆動型社会における参加型まちづくりのためのデータ整備と活用
本稿は、まちづくり分野におけるデータ活用の課題や求められるデータについて、国土交通省での検討会を通して議論した経過を振り返り、現在進められている「Project PLATEAU」など3D都市モデルの整備や活用を事例に、オープンデータの重要性や社会における活用のあり方を展望する。
次世代エンジンのエネルギー効率向上に貢献する高分解能・高応答な燃料流量計
自動車業界においてカーボンニュートラルの実現のためには、BEVやFCVの普及に加えて、内燃機関の高効率化と燃料のカーボンニュートラル化により内燃機関搭載車からのCO₂排出量を削減することも重要である。本稿ではカーボンニュートラル燃料に対応し、高効率な内燃機関の開発に貢献する燃料流量計の取り組みについて説明する。
水素の不純物濃度をリアルタイムで計測
水素は多くの方法から生産され、新エネルギーとして注目されている。水素生産時に、不純物を計測することで水素の品質を確保している。今後注目されるブルー水素においても、CO₂回収において計測装置が使用されており、計測機器が利用されているアプリケーションについて紹介する。
電動車両時代のシャシダイナモメータ
温室効果ガスやその他の大気汚染物質の排出削減が急務であり、今後も電動車両の市場シェア拡大は加速する。これまで様々な車両性能の測定に利用されてきたシャシダイナモメータは、内燃機関のみで走行する車両が主要なカテゴリではなくなったとしても、引き続き同じ役割を果たす。
リチウムイオン電池の内部抵抗推定の開発
本稿では、リチウムイオン電池の基本特性と技術を紹介した後に弊社が開発したリチウムイオン電池の内部抵抗を推定する推定アルゴリズムの概要を説明する。概要の説明後に電池モデルを用いた数値シミュレーション結果と実電池に適用した結果を示す。
ドライバ評価手法の「温故知新」
ドライバ評価に必要な三要素のうち、「ものさし」は計測や指標化(解析)の方法である。「テスト方法」は、対象タスクや運転状況・環境の設定、およびドライバ像を指す。「OK/NGの判断方法」は、ドライバにとってのインパクトの見積もりである。これらについて、本稿では過去の研究での様々な工夫や考え方を概説する。
自動運転車内の快適性の評価─生体情報およびSD法による感情評価─
自動運転の実現により、車内での人の快適性の実現がさらに重要となる。本研究では SD法による主観評価と脳波・心拍変動指標による感情推定評価結果を対応づけ分析する手法を提案する。また、実際のキャビンで評価を行い、これらの結果について報告する。
ハードウェア活用による立体映像のリアルタイム処理
バックモニタの映像は平面であるため、物体の奥行を知覚しにくい、これを解決するため立体視が可能な3Dディスプレイを用いることを考えた。立体映像の合成に必要な物体の奥行情報をステレオマッチングを用いて得るには、リアルタイム処理が課題となる。そこでFPGAを用いたハードウェア化を行い、70fpsの速度を実現した。
デジタルツインを構築するVR・CG技術の最新動向とMaaS・自動運転プロジェクトへの適用
現在当社で取り組んでいる各種オープンデータを活用したVR・CGソフトによるデジタルツイン環境構築の最新動向、構築された環境のMaaS・自動運転研究開発プロジェクトへの適用について、実際のユーザ事例も踏まえ説明する。
<HOT Topics>新型FCEVのNV性能開発
新型FCEVは上質な静粛性と乗心地の確保に向けて開発を進めてきた。本稿ではFCパワープラント搭載方法、FC補機類の振動低減により静粛性と乗心地を向上した開発事例を紹介する。
<HOT Topics>メニーコア時代に向けたモデルベース並列化技術とその実用化ツールの紹介
近年、車載をはじめとした組込みシステムにおいても、マルチコア・CPUが採用されている。「モデルベース並列化」はそのようなCPUを有効利用するための並列ソフトウエアの開発を支援する。本稿では「モデルベース並列化技術」の解説及びそれを実用化したツールの紹介を行う。
<HOT Topics>バッテリ冷却における高熱伝導材料適用の取組みと今後の課題
日産アリアのバッテリ液冷システムに採用した高熱伝導材料(Gap Filler)の特徴、自動車での使われ方及び取組み内容について説明する。車載状態を模したGap Fillerの熱抵抗評価を実施するため、評価試料の作成及び熱抵抗算出方法を設定し、各種Gap Filler評価及び耐久特性評価を実施した。
<HOT Topics>ハイブリッドサイクルを用いた海洋温度差発電の開発
海洋温度差発電(OTEC)は、海洋の表層と水深約600~1000mの温度差を利用した発電である。本稿は、発電と海水淡水化による造水を同時に行うハイブリッドサイクルの特性とOTECの開発状況をまとめた。OTECと海洋深層水の複合利用は、持続可能な電力、水、食料の供給可能性があり開発が期待される。OTECの熱力学特性は排熱利用にも活用できる。
<HOT Topics>ステアリングスイッチの押下フィーリングに関する嗜好性とF-S特性の関係分析
本研究では、30名に対しステアリングスイッチの押下フィーリングの嗜好性と知覚空間を分析した。結果、「しっとり」を好む20名と「かっちり」を好む10名に分かれ、知覚空間はどちらも概ね同じことが分かった。さらにこの結果から、スイッチのF-S特性との関係を分析し、F-S特性からスイッチの嗜好性を推定できる式を導出した。
<HOT Topics>混雑環境下における適応的なロボットナビゲーション
混雑環境下における安全かつ効率的な経路計画はロボット工学の長年の課題である。本稿では、混雑環境におけるロボットナビゲーションのアプローチを俯瞰すると共に、深層強化学習により衝突回避と介入行動を効果的に切り替える適応的ナビゲーションの取り組みについて紹介する。