災害時に貢献するモビリティ
Mobility Contributing to Disaster

東日本大震災の発生から10年。本号は大きな犠牲の上に得られた教訓を活かした災害時の対策、モビリティの役割にフォーカスをあてました。災害時の自助の難しさや共助の大切さと共に、読者の皆様が“危機意識”を持つきっかけになれば幸いです。

このページについて

  • 本ページでは、会誌特集記事の抄録をご覧になれます。
  • 実際の記事については、会員の方はお手元の会誌をご覧ください。

災害多発時代を迎え,わが国はどう備えるべきか

地球温暖化による台風の巨大化や頻発化、大雨や大雪、干ばつなど、近年、我が国の気象災害は激甚化している。さらに、首都直下地震や南海トラフの巨大地震による被害は、国の存続にも影響を及ぼす「国難的な災害」になると予想されている。このような環境の中で、今後わが国はどのように、災害に備えていくべきかを解説する。

クルマを用いた災害時のICTシステム

大規模災害時には、公共のネットワークが障害となり、避難や救急救命活動に支障をきたす。自動車は電源を保有し、かつ移動可能、今後は通信機能も保有するため、災害時のネットワークの補完および情報共有が可能である。本稿では、災害時の自動車を用いた情報通信システムの標準化動向と実用化に向けた取り組みを紹介する。

災害救援用二輪車の開発と導入事例紹介

災害時の被災状況の把握や救援活動を迅速かつ確実に行うための手段として、二輪車の機動性が注目されている。初動・救援活動の有効性を高めるために開発した災害救援用二輪車について、様々な現場で導入が進む二輪車の活用事例と合わせて紹介する。

電動車を活用した支えあいの普及

とっとりEV協力隊制度をきっかけに電動車の価値が改めて注目されている。電動車の持つ給電機能を活用した災害に強い地域づくりや観光産業とタイアップした新たな価値の創造によるまちおこしなど、活躍の場が広がっている。鳥取県では、温暖化対策や支えあいの輪を広げる観点からも電動車の普及促進を目指している。

電動車の給電機能を活用した災害支援活動

近年、大規模な自然災害が頻発し、同時に発生する停電により避難生活や日常生活に大きな影響が出ている。こうした状況下でハイブリッド車等の電動車から電力を供給し、生活をサポートできることに注目が集まっている。本稿では、こうした電動車を活用した災害支援の取り組みについて紹介する。

<インタビュー>キャンピングカーによる防災への期待

災害時におけるキャンピングカーの活用方法やニーズ、今後の可能性などについて、日本RV協会にインタビューを実施した。

一般車両へ搭載可能とした小型移動ATMの開発とその活用

金融機関はマイナス金利などの環境変化により収益は悪化傾向にあり、店舗の廃止などのコスト削減に取り組み始めている。一方、金融機関はサービスレベル維持や近年増加する災害に対するBCPの拡充も要求される。本稿ではこれらの課題を解決するために開発した小型移動ATMの開発経緯やその活用方法について述べる。

日本カーシェアリング協会の災害支援活動の仕組みと課題,今後の展望

日本カーシェアリング協会が被災地で実施している車の無償貸出支援の活動概要を説明したうえで、迅速に車を集めるために開始した取組、将来の災害支援活動の課題を紹介する。

無人化施工における不整地運搬車のAI自動走行技術

建設業においては国土交通省が提唱するi-Constructionにより生産性の向上が図られている。熊谷組では安全性と生産性の向上を目的として不整地運搬車のAI自動走行技術を開発している。本稿ではティーチングプレーバック方式による自動走行技術とAIによる車両運行管理技術を複合させた不整地運搬車のAI自動走行技術を紹介する。

<HOT Topics>
CFRTP一方向連続繊維積層板活用のすすめ

高弾性、高強度な軽量素材として自動車への適用事例も増えつつある炭素繊維強化樹脂(CFRP)、その中でも一方向(UD)連続繊維で強化され熱可塑性樹脂を使用したUD-CFRTPの積層板について、その特徴と当社の開発した積層成形装置、そして積層板からサイドインパクトバーを試作した事例を紹介する。

<HOT Topics>
光でプラスチックの劣化が診断可能に!?─近赤外光と機械学習による材料診断

プラスチック部材に近赤外光を照射すると部材中の結晶やアモルファスといった高分子構造は固有の波長の近赤外光を吸収する。この原理を生かして、プラスチックの高分子構造、ひいては劣化現象を近赤外光によって調べることができる。本報では近赤外光によってポリプロピレンの劣化を診断した事例について解説する。

<HOT Topics>
自動車のCASE戦略を評価するライフサイクルシミュレーション技術

自動車産業はCASE(Connected、Autonomous、Shared&Service、Electric)戦略による変革期にある。 一方、環境的な観点からは、自動車ライフサイクル全体を通じた環境負荷を大幅削減する必要がある。本稿ではライフサイクル評価の重要性を述べた後、ライフサイクルシミュレーション(LCS)方法論について解説し、またCASE戦略に関連するLCS適用例を紹介した。

<HOT Topics>
自動運転車の遠隔操作のための映像情報に関する研究の紹介

自動車の遠隔操作は、近年自動運転サービスを補完するシステムとして重要な技術となりつつあり、様々な知見の蓄積が必要となる。本稿では、自動車の低速域の遠隔操作における映像情報に関する筆者らの研究の取り組みとして、カメラ視野角等の映像の条件や、映像の遅延が遠隔操作に与える影響の評価等の研究を紹介する。

<HOT Topics>
ディープラーニングを用いたモータ適合効率化

モータ適合業務において、モータ電流波形の良否判定には経験者の知見が必要であったが、ディープラーニングで知見を学習させたAIモデルに、モータ電流をモデルベースで予測する技術を組み合わせることで、バーチャルで良否判定を行う仕組みを実現した。

<HOT Topics>
レーザ誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)の燃焼診断への応用─火炎中の当量比その場計測─

レーザ誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)の燃焼計測の応用例として、従来困難な輝炎を含む過濃燃焼場の当量比計測の現状を紹介する。対向流拡散火炎とChemkin-Pro による各火炎位置の計算当量比を併用したその場校正によって、すすが生成する輝炎場においても当量比計測が可能であることを実証した。

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